教育福島0009号(1976年(S51)02月)-009page

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三、児童の問題解決能力をいっそう伸ばすように努める。

 

(一) 児童が強い問題意識に支えられて意欲的に学習に取り組み、学習の楽しさや喜びを見いだすことのできるような学習指導を進める。

○ 問題意識の持たせ方としては、

・社会事象の全体的傾向や特色から問題をは握する

・社会事象の変化や発展、矛盾などから問題をは握する

・社会事象を比較して問題をは握する、などが考えられる。

(二) 問題解決のための手順・方法を児童の発達段階に応じて指導し、児童自らが見通しを持って学習を進めることができるようにする。

(三) 教科書や地図帳、各種の統計資料などを、目的に応じて指導過程の中に正しく位置づけ、問題を実証的に追求する能力や態度を育てるように努める。

(四) 資料収集や作成のしかた及び効果的な活用についての指導方法を工夫する。

 

四、社会科における基礎的能力を高める指導をいっそう充実する。

 

(一) 一単位時間や単元のまとめを適切に行い、基礎的な知識・技能が確実に身につくようにする。

(二) 重要事項については、練習の時間を設けるなどして指導の徹底を図るようにする。

 

中学校

 

生徒が、社会生活を正しく理解するために必要な資料を収集活用し、社会事象相互の関連や意味を的確には握していく能力や態度を育成するため、三分野間の構造を踏まえ、内容の重点を明確にした指導計画の改善に努め、学習指導がいっそう充実するよう、次のことについて努力する。

 

一、三分野相互の関連を押さえた指導計画の充実と改善に努める。

 

(一) 各分野の目標・内容を的確には握し、生徒や地域の実態から見て学習内容の精選を図り、指導の重点の置き方を工夫した指導計画の作成に努める。

(二) 身近な地域をはじめ、地域に見られる地理的、歴史的事象の教材化に努め、生徒が興味と関心を持って学習を進めることができるようにする。

(三) パイ型学習の長所である生徒の能力・技能を継続的に伸ばしていくために各分野相互の学習成果を活用し、有機的な関連を図り、発展の筋道を明確にした指導計画の作成に努める。

(四) 歴史上の人物指導に当たっては、二、三人の人物を重点的に取り上げ必要によっては、特設時間を設けて指導できるようにする。

(五) 小学校との関連をじゅうぶんに考え社会科でねらう能力・態度が、小・中一貫の立場で育成されるようにする。

 

二、社会科で育成する能力を明確に捕らえ、指導内容の精選・重点化を図るための教材研究を充実する。

 

(一) 社会科で育成しなければならない思考力や資料活用能力を的確に押さえて指導を進める。

○ 思考力

・条件考察力 ・比較、関連考察・力 ・因果、発展考察力

○ 資料活用能力

・読図、描図能力 ・年表活用能力 ・資料の選択、収集能力

・統計資料を読み取る能力

(二) 教材の持つしくみを正しく捕らえて、社会事象の持つ意味や本質を押さえ、教えることと考えさせることを明確にして指導を進める。

(三) 地理的分野においては、地域の特性がよくは握されるよう教材を精選して指導を進める。

(四) 歴史的分野においては、時代の特色や時代の推移がよくは握されるよう教材を精選して指導を進める。

(五) 公民的分野においては、地理的分野、歴史的分野の学習成果を有効に活用する。

 

三、生徒の自主的な学習を重視し、問題解決の学習が効果的に行われるようにする。

 

(一) 講義中心に偏る授業を改め、生徒自らが問題を解き明かしていく過程を明確に押さえて指導に当たる。

(二) 生徒の自主的、自発的な学習態度の育成を図るため、学習形態を工夫したり、観察、調査や地図、年表、統計資料活用などの作業学習を取り入れたりする学習指導を進める。

(三) 生徒が問題意識を持ち、見通しの上に立った学習を進めるため、問題は握のしかた、予想の立て方、問題追求の視点、方法、資料活用の方法、学習結果のまとめ方など具体教材に即して身につくようにする。

 

四、学習の評価を適切に行い基礎能力の定着を図る。

 

(一) 各分野における基本的事項や基礎的知識・技能が確かに身につくよう単元のまとめや授業の確かめを適切に行うよう努める。また、基礎的な知識・技能の定着を図るための指導を計画的に進める。

(二) 調査観察の結果や、地図、年表などの作品についてもねらいに即して評価する。

 

 

 


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