教育福島0009号(1976年(S51)02月)-014page
(一) 指導に当たっては、技能面の習熟だけにとどまらず、「領域に示された内容の指導」に、考え方の重点を置く。
(二) 指導内容の重点化を図るとともに総合的な指導を進める。
このため、指導内容をら列してすべて同程度に扱うことを避け、指導目標に照らして最重要と思われる内容に焦点を当てる。
(三) 「基礎」の内容と各領域の内容との関連を明確にし、生徒の実態の上に立って重点的な指導が展開できるように配慮する。
このため、「基礎」に示されている内容だけを抽出して計画を立案したり、孤立した指導をすることを避け、各領域の学習活動の中で「基礎」の内容が消化され、発展し、生徒の能力として着実に定着するように配慮する。
三、指導計画の改善充実に努める。
(一) 重点として取り上げた指導事項が題材間でむだに重複していないかを検討する。この際、年間にわたって配当された題材について、指導すべき内容と時数が見合っているかどうかもあわせて検討する。
(二) 生徒の能力や地域の実情、更には学校における条件等を考慮し、月、週あるいは教材群等の指導計画に具体的に結びつくように配慮する。
四、「日本の音楽」の指導を充実する。
(一) 鑑賞に力点を置き、豊かな音楽観を培うための指導の方法を工夫する。
(二) 日本の伝統音楽が持つ意義を正しく認識させ、曲全体がどのような音楽的特色を持つかを捕ら、えさせるようにしむける。
(三) 理論的な指導に陥ることなく、生徒に親しみを持たせるようにする。
また、指導の要点を明らかにして重点的な指導を進める。
五、生徒が集中的に学習を進めるよう、指導法の改善に努める。
(一) 生徒の感性に訴えながら、心身の融合、反応力の向上、新鮮な関、心の助長、音楽的イメージの形成をねらい、総合的に扱うよう配慮する。
この際、「読譜、記譜、聴取及び身体反応」が、相互に関連を保ちながら学習できるように工夫する。
(二) 広く音楽を鑑賞する機会を求め、教師自身の音楽的感性を豊かにする
(三) 単位時間の授業のあり方を研究し効率的な指導を展開する。
(四) 視聴覚的機器の操作に習熟し、授業の中で効果的に扱えるように努める。
図画工作
美術
小学校
図画工作科は、描いたり、作ったり味わったりする表現活動を通してその目標を達成する教科である。
したがって、そのねらいを達成するためには、まず児童が意欲を持って学習に取り組めるように条件を整えることが出発点となる。
児童が表現学習に対して、喜びと期待を持ち意欲的に取り組むことによってのみ、心豊かな表現も、創意も、また発展性のある技能の高まりも期待することができる。
このような基本的立場を押さえるとともに、次の事項に留意して、適切な指導が展開されることが重要である。
一、教科のねらい、内容を的確には握して、指導計画を整備する。
(一) 児童の表現学習が意欲的に深められるためには、地域や学校、児童の実態をたいせつにした指導計画を整備することが重要である。
(二) 当該学校で編成される教育課程の全体計画に正しく位置づけられた指導計画であること、特に指導時数を適切に押さえた計画であること。
(三) 各領域で取り上げられている題材が、教科の本質を押さ、えるとともに自校の児童にとって、学習しやすい各件を備えているかどうか既習の経験や施設設備、材料等の条件から検討する。
(四) それぞれの題材に配当された指導時間について、学年全体の指導内容との関連で検討し、重点的、効果的に学習できる時間を配当する。
(五) 指導の結果に基づいて、内容、時間、用具材料、資料等について反省し、指導計画補正の資料として次年度に生かす工夫をする。
二、教科の本質にそって授業を充実する。
(一) 教材研究を深め、ねらいにそって内容を整理統合し、重点の置き方に工夫を加えて、充実した指導ができるようにする。
(二) 子供らしい豊かな表現をさせるために、特に発想段階の指導について留意するとともに、指導のための資料や教育機器の活用等について研究を深める。
(三) 児童の表現活動の中から、つまづ