教育福島0009号(1976年(S51)02月)-017page
一、実践的活動が中核となって学習指導が展開されるよう工夫する。
(一) 各領域の題材の選択に当たっては中学校指導書技術・家庭科編(文部省編)に示されている観点により吟味してみる必要がある。
(二) 生徒の学習意欲を高め、主体的に学習が取り組めるよう、学習指導計画の改善に努める。
(三) 各領域が調和的に指導されるよう工夫し、時数の配当、各領域及び他教科との有機的な関連等をじゅうぶん配慮し、生徒の自主性や工夫創造の能力を伸ばすように努める。
(四) 生徒の学習が自主・協力・解決の学習へと展開され「教える」「学びとる」の指導過程を工夫する。
二、教材の構造化を図り、効果的な指導ができるよう工夫する。
(一) 一単位時間の中心となる学習目標を明確に設定し、
指導の範囲と程度を明らかにし、「知る」「考える」「行う」の三つの活動が有機的にできるように努める。
(二) 生徒の経験や既得の知識・技能の累積が「なぜ」「どうして」「どうすればよいのか」等の問題意識が生まれるので既習事項を基礎に課題解決が図られるよう配慮する。
(三) 指導の目標内容等に応じて指導形態を工夫し、指導の効果を高めるように努める。
○ グループ編成に当たっては、指導場面によって編成替えを行うなどの配慮が欲しい。
○ グループには各係ごとの役割を決め、係活動を通じて協同して学習するような配慮もたいせつにする。
(四) 学習の評価が適切に行われ、指導計画や指導法の改善に役だてられるよう工夫する。
○ 目標及び内容との関連において評価の観点を検討し、何をねらいとして指導し、何を評価したらよいかを明確にする。
○ 指導過程において、学級全体はもちろん、一人一人の生徒の学習成立状況を容易には握できる評価の方法を工夫する。
(五) 実物見本、標本、資料、教育機器等の特性を生かし、効果的に活用するよう努める。
○ 資料は質的・量的に吟味し、生徒の思考、創造する能力を、伸長し得るようなものを選ぶ。
○ 教育機器の導入に当たっては、その特性をは握し、指導過程に正しく位置づけて活用を図る。
三、施設・設備の改善・充実に努め、安全教育に徹し、事故を未然に防止する。
(一) 施設・設備の改善・充実に努める。
○ 施設設備については、指導内容、地域・学校の実態から検討し「ムダ」「ムラ」のない調和のある整備計画一更新計画を含め)を樹立して充実に努める。
(二) 事故防止に努め、安全指導に万全を期する。
(1) 用具類は常に最良の状態に整備し、それを必要とする実習に際しては有効に活用できるように努める。
○ 機械歴カード等を用意し、保守の状態が確認できるよう工夫する。
(2) 機械、器具、材料等の整理・整とんについては、機会あるごとに繰り返し指導し、生活化を図る。
○ 使用した電気はんだごて、電気アイロン、調理用熱源等は、冷えた状態を確認してから格納する。
○ 調理用具は安全、衛生的な取り扱いに留意する。
○ 刃物類はさびに留意し、刃が露出しないように格納する。
○ 測定器具類は湿気、振動、衝撃、熱等の影響から避けるようにして保管する。
(3) 実習等の指導に当たっては、安全性を確かめ、生徒を掌握できる位置で指導するよう配慮する。
(4) 機械類、刃物類、引火性液体、電気、ガス、火気等を取り扱う場合には、安全の保持にじゅうぶん留意して指導をする必要がある。
(5) 事故防止は、生徒指導と関係が深いので、平素からの生徒の指導管理に努める。
(6) 「中学校技術・家庭科における工作機械等の使用による事故防止について」 (昭四三・二・一二文部省初等中等教育局長通知)を遵守し、万全の注意を払うようにする。