教育福島0010号(1976年(S51)04月)-009page
一方、遠距離通学児童数は、増加の傾向にある。 (図14)その理由の最も大きいものとしては、学校の統廃合により、通学距離が遠くなった児童数が増加していることによるものと考えられる。
遠距離通学児童数の増加に伴い、その通学手段としてのスクールバスの増加がみられるが、今後このような傾向に適切に対処するためには、児童の通学手段の確保に格段の配慮を加えていくことが肝要である。
(3) 多い四十歳代の教員
本県公立小学校本務教員の年齢別構成を昭和四十九年についてみると、図15のとおりである。四十歳代の教員数は全体の五一%と高率を占め、ついで三十歳代が二三%、二十歳代が九%と低率になっている。
公立小学校教員の男女比は、昭和五十年度において四八・五対五一・五であり、女子教員の占める比率が男子教員より高くなっている。(図−6)
こうした年齢構成の高齢化や女子教員の増加に対処するため、各学校の教職員組織を均衡のとれた形で充実する必要があろう。
(4) 進む校舎の耐火構造化
本県小学校の校舎・体育館の構造別保有状況をみると、年々耐火構造化が進み、木造校舎の占める割合は減少傾向を示しているが、昭和五十年において、校舎の五五%は木造である。(図−7)
(5) 全国平均より高い教材教具の充足率
本県小学校における各教科別の教材の保有率は、教科によって差があり、じゅうぶんとはいえないまでも、全国平均のそれを上回っている。(表17)
しかし、一方理科教育等設備の充足率を昭和五十年度についてみると、理科教育振興法に定める設備基準の五七・七%になっており、公立義務教育諸学校の野外観察調査用具の充足率は二三・四%、算数・数学特別設備の充足率は四四・一%で、非常な低率となっている。
(6) 活用されている教育機器
教育の現代化に即応して、指導の効率を高めるため、小学校においては教
図−5 公立小学校教員年齢構成
(備考) 「教育調査報告書」(昭49)による
図−6 男・女教員比率
図−7 構造別にみた学校施設の推移
(備考)
1.「公立学校建物の実体調査報告書」(昭43〜50)による。
2.校舎・体育館ともに保有面積(単位u)を基礎とした百分率である。
表−7 小学校学級別・教科別教材平均基準内保有率 (単位%)
(備考) 「学校設備調査報告」(昭44)による。
表−8 小学校教育機器保有状況
(備考)
1.「総務課調査」(昭49)による。
2.分校も1校とする。