教育福島0010号(1976年(S51)04月)-021page
1) 県総合美術展の状況
昭和二十二年度から開かれているが当初三百余点の出品であったものが、昭和四十八年より千点を越えるにいたった。
昭和五十年度の出品を部門別に見ると、書四百十一点、洋画三百八十七点日本画九十二点、工芸八十五点、彫塑七十四点であり、日本画、工芸美術、彫塑部門への出品の増加が期待される。
2) 県文学賞の状況
昭和二十三年度より開催されたもので、年々質・量ともに充実している。昭和五十年の応募状況を見ると俳句四十六、詩四十三、小説四十二、短歌四十二となっており、小説の部門がやや減少し、他の部門が増加している。
3) 県文化功労賞の状況
多年にわたり本県文化の向上に著しい業績をあらわした個人に対して、昭和二十七年から文化功労賞が与えられてきたが、昭和五十年までの受賞者のうち、人文科学部門が四〇%、自然科学部門が二〇・五%と多い。(図−31)
4) 芸術文化のふるさとの指定
これらのほか、文化課発足以来、「芸術文化のふるさと」「民俗芸能のふるさと」指定や「地方巡回美術展」「地方文化施設整備事業」「地方文化施設自主事業促進」などを行ない、地域文化の推進を図っている。
(2) 多彩な地域の文化活動
最近の週休二日制の普及や、新しい形式の長期休暇制度導入などによる、余暇社会への移行に伴う文化活動への参加志向は、飛躍的に増加している。これらに対応して、地域においては、文化活動の振興策として文化団体の結成が進んでいるが、全県的規模をもつ団体を軸とする、自主的活動も活発化している。昭和四十六年には、県芸術文化団体連合会が設立され、県合唱連盟など県単位の文化団体十八、福島市文化団体連絡協議会など地域文化団体十一の加盟があり、県芸術祭や地域行事の核として多彩な活動を展開している。
部門別に文化団体の割合を見ると、昭和四十三年に比して五十年には、団体数で三倍となり、生活芸術部門の団体の伸びが著しい。(図−32)
今後は、だれもが、どこででも、地域芸術文化の行事や活動に参加できるための条件整備や県民のすぐれた芸術諸活動の助長などの諸施策が必要となろう。
図−29 県総合美術展年度別応募者数
(備考)「文化課調べ」(昭51・2)による。
図−30 県文学賞年度別応募者数
(備考)「文化課調べ」(昭51・2)による。
図−31 県文化功労賞部門別受賞者数(昭和27年〜昭和50年)
(備考)
1.「総務課調べ」(昭51.2)による。
2.( )は実数。