教育福島0010号(1976年(S51)04月)-032page
わが町の公民館活動
公民館活動の状況
相馬郡鹿島町公民館
県内外の公民館を訪問してみて感じたことは、すぐれた公民館には共通して、その活動に独創性や特色があるということであった。
今回、本町の公民館活動の状況を紹介するに当たり、紙面の制約もあるので、焦点をしぼって活動状況を述べたいと思う。
一、在学青少年教育
一般に、社会教育においては、在学青少年に対する社会教育の在り方が弱いと指摘されているのが現状である。本町においては、これら青少年の教育課題としての人間形成に重点をおき、集団活動をとおして発達を考え、小学生を対象とした子供会中学生を対象のスポーツ少年団、高校生を対象とした高校生協議会が組織され、組織率百。パーセントとなっている。これら少年団体を育成する育成会、指導者協議会等の指導体制
もととのい、活動への参加率も百パーセントと多様なプログラムを編成し、集団訓練を実施している。
二、勤労青少年教育
青年の意識調査や実態調査の結果多様な学習要求を持っていることが科学的に分析され、これに対応した
プログラムの提供がなされなければならないが、本町で、青年の意識や生活行動に対応して、多様なコースを設け、一定の成果をあげている。
なお、青少年教育のための施設としては、全部落設置の運動場・遊園地があり、町営の施設としては、青少年団体専用の教育キャンプ場が、海・山・川・高原と地理的特色をいかし、しかも、教育環境をじゅうぶんに配慮した施設として開放している。本町は、海浜地帯にっき、一般観光者との関係から教育環境を考え施設の計画的配置について検討して設置したものである。
三、成人教育
生がいの各時期において、学習機会をまんべんなく提供する考えから本町においては、成人男子・女子を次のようにし、教育の体系化を図っている。
○若妻教育→若妻学級既婚者で三十五歳までの女子
○婦人教育→婦人学級三十五歳以上六十五歳までの女子
○成人男子教育→成人大学青年団体を退団した三十五歳以上六十五歳までの男子
○高齢者教育→明治青年大学(老人クラブ)六十五歳以上の者
成人教育において特長的なものは
「若妻国内研修」である。農家の嫁が、県外の農家に分宿し、農作業をともにしながら、農家の生活、文化や教育を学習する。これは生きた教育であり、年々内容も充実し、参加者も多くなっている。研修期間は十日間と長期であり、教育効果は高く、町世論調査の結果でも高く評価されている。
次は、成人男子教育についてであるが、この層は、社会集団としての組織がないことから、学習機会に恵まれないのが一般的であるが、本町においては、青年会退会後のOBによる大正から昭和十年生まれまでの「春秋会」、昭和十年以後生まれの者.
スポーツ少年団・高校生の合同研修