教育福島0010号(1976年(S51)04月)-035page

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で、卓球室の利用者と合わせると三十名以上の生徒が出入りすることとなり“児童館のようだ”ということになる。

特に土曜日の午後が多い。図書室利用者数を詳しく調べてみると、一日の平均利用者数が二十一・三人であるのに、土曜日の平均は三十八・〇人、日曜日(休日も含む)は二十二・七人である。これは、前述のような当館の立地条件の特性によるものと思われる。

館外貸出し冊数は年間六千九冊(一日平均十六・八冊)である。

 

四、巡回図書車

 

前述のように、図書室の利用状況は児童生徒が圧倒的に多く、社会人が少ない。そこで、四十九年度、百二十万円余で車を購入し、図書貸出しの巡回を始めた。

今のところ、奇数月ごと、年六回の巡回である。職場グループ三、地域グループ十一、計十四の読書グループがその対象で、平均一グループ、一回三十冊を貸出している。貧弱な蔵書数ではとうてい足りないので、県立図書館の『あづま号』から、館の責任で数百冊を借り、これと館の蔵書とを併わせて巡回している。『あづま号』は町内各地の巡回を止めている。そこで、あづま号時代から続いている読書グループからは、選ぶ対象となる本が少ないという不満の声が上がっている。グループをふやし、読書活動を広げたいという願望をみたすためには、図書購入費を増額し、あづま号に新刊図書を多く積んで来てほしいと思う。

 

五、学級経営

 

五十年度は家庭教育学級三、婦人学級二、高齢者学級、乳幼児学級各一、計七の補助学級の他、八つの自主学級を開設した。このうち、特色あるものをとりあげてみる。

家庭教育学級は三学級のうち、一つだけを学校委託とし、他は直接経営した。そのうちの一学級は、三歳児を持つ両親を対象とした一学級生は子供を連れてやって来る。学級生よりも子供の方が多いこともある。臨時託児所を開設することとなる。

幸い、当館には女子職員が四名いるので、保育に当たることとなった。幼稚園から遊具を借りてきて遊ばせる。少ない遊具では飽きたり、けんかしたりするので滑り台を買うことにした。これは回転が早く独占されることがない。それにしても、保育する職員は大苦労である。

しかし、回を重ねるうちに、子供が集団生活に慣れるという望外の成果が現れだした。職員側からは、親と子供がいっしょになってやる学習−親子体操とか絵の強勉とか−を内容に入れた方がよいという反省が生まれ、五十一年度の計画に役立つこととなった。

婦人学級の一つは、「現代婦人教養講座」という名称にし、古典をとり上げてみた。「婦人学級」というイメージは、ややもすると終戦直後の農村型を思わせるので、高学歴の都市型主婦の開拓をねらったのである。

都市部では珍しくない文学講座を、農山村地域のこの町でとり上げることに不安があったが、開いてみると予想以上に好評で、源氏物語の講釈を数回百人一首、文学余話に短歌評論と続いた。五十一年度は平安−−江戸の文学作品、五十二年度は近代文学シリーズとして、明治・大正の文学をとり上げる構想がすでに内定し、本年度の受講希望者は四十名近く集まっており、近く第一講を開く予定になっている。

 

六、職員の勤務態勢

 

公民館職員は町の一般職であるから勤務の態様は町の一般の職員と同じであった。ところが、前述のように、小・中・高校生の利用がふえ、放課後の下校途中の来館ということになると、いきおい、土曜日の午後(あるいは、冬の勤務時間の場合は午後四時半5五時)職員が不在では具合いが悪い。−休日は職員が日直勤務、夜間は民間警備員が宿直勤務−そこで、週番の職員が、土曜日の午後(冬は四時半5五時)居残り勤務をすることとなった。その裏付けとして「小野町公民館職員の勤務時間の特例に関する規程」を制定している。

 

巡回図書の貸出し

家庭教育学級の臨時保育

家庭教育学級の臨時保育

 

 

 

 


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