教育福島0011号(1976年(S51)06月)-037page

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覚ましい体格の向上を続けており、「脚長の欧米型」とか、「かっこよく体格の向上」という見出しで、二十年前に比べた児童生徒の体格の推移が、文部省から五十年度の学校保健統計調査としてまとめられ発表されたが、本県の児童生徒についても、「脚長の欧米型」になっているといえる。

年代別にその伸びをみると、(表2)からもわかるように、十代の若い方ほどその伸び率がよいということになる。

ちなみに、体重についてみると、十歳男子で一一二・○、女子で一一一・八、胸囲では同年齢男子が一〇四・○、女子一〇二・四、(いずれも指数)となっている。よくいわれている“もやしっ子”という言葉は、本県の児童生徒の現状をみるかぎり、やや細身にはなってきているものの、概してよい体格であるといえるので、あてはまらないといった方が妥当であろう。(他の年代についても同じような伸びの傾向にある。)

二、筋力(背筋力)の推移

背筋力について、スポーツテストの集計からまとめたものが(表1)であり、測定の方法等によって多少の誤差がでてくる検査項目ではあるが推移の概要はつかむことができる。

これを指数として身長等と対比したのが(表2)のグラフである。これをみてわかるように各年齢ともかなりの落ちこみがみられる。ここで特に注目したいことは、十歳が男女とも十三歳より落ちこみ十三歳が十六歳(女子の四十七年度を除いて)より落ちているということである。つまり十代の若い方ほど落ちこんでいるということである。

「筋力が弱いので、血液の流れがにぶくなり、朝礼や集会などで倒れたり回復がおそくなったり、背骨が変形したりしている生徒が増加している」とは日本体育大学研究所長正木教授の指摘しているところであり、更に「体を支えている背骨をとりまき、背骨を支えている筋力が落ちこんでいることは人間の未来にもかかわってくる重要な問題である」とも言っている。

三、まとめ

これらの二つのデーターの分析からだけでも、身長等が、十歳が男女ともにすばらしい伸びをみせている反面、背筋力の落ちこみがひどいという結果がでている。したがって、幼年・少年前期に、今後もこのような傾向として表われてくるとなれば、重大な問題となるであろう。

ここで、学校体育の充実はもちろんのこと、児童生徒の二十四時間中の生活構造を含めて、家庭・社会ともども体格・体力のデーターを正しくみつめそれを分析し、検討することが大切となってくる。

特に学校等においては、手近かなデーターを積極的に活用し、あらゆる場で指導に生かすこととともに、家庭においても、児童生徒の生活環境を考慮しながら、関心をもってほしいものである。

 

〔13歳〕中学校 男

 

〔13歳〕中学校 男

〔13歳〕中学校女

 

〔13歳〕中学校女

〔16歳〕高等学校・男

 

〔16歳〕高等学校・男

〔16歳〕高等学校 女

 

〔16歳〕高等学校 女

 

 

 

 


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