教育福島0011号(1976年(S51)06月)-044page
福島の文化財
県指定天然記念物
棚倉城跡の大ケヤキ
東白川郡棚倉町棚倉字城跡
棚倉城跡入口の路上に一本の大ケヤキが高くそびえている。根回りは十三メートルあり、地上一・五メートル内外の樹幹部には二個の大きな瘤があってその部分の周囲は九・五メートルであるが、それらの瘤をさけた部分の周囲は八・八メートルある。地上五メートル内外のところで樹幹は三本の大枝に分かれるが、それらはほぼ直上して樹高三二・三メートルに達している。この大木は寛永元年丹羽長重が築城の際すでに存在していたといわれ、樹齢は約五百六十年に達するものと推定されている。
この大ケヤキは県内でもまれに見るケヤキの大木であり、その風格においては右にでるものはない。大枝の一本は枯死しているが、他は樹幹とともにきわめて健全である。現在路上にあるが、この木を中心とし直径六・二メートルの鉄柵で囲い保護に当たっている。
(右樹幹の瘤)
(大空にそびえる大ケヤキ)