教育福島0013号(1976年(S51)08月)-011page
会津若松市
病気のために小学校へも入学できず、どうしょうかと悩んでいたところ、在宅訪問指導を受けることができて、ほんとうに感謝しております。
子供自身も、先生の来る日は、“きょうはいっしょに散歩するんだ”などと計画をたてて、楽しみに待っています。
体力も劣り病気勝ちだったのが、少しずつ丈夫になってきており、これからは、適当な集団の中に入れていただきたいと考えています。
いわき市
本年も引き続き訪問指導を受けることができ、親としても喜びにたえません。
先生がお帰りになられた後も、指導されたテープを聞きながら、カセットのスイッチを自分で操作して復習する態度、みていてもうれしい限りです。
でき得れば、来年も、再来年も引き続き御指導いただければ幸いと思います。
福 島 市
市川先生の訪問指導を受けて一年になりますが、やすこの表情、動作に大きな変化がみられました。
自分から進んで体を動かしたり要求することも多くなりました。
訪問のある日はとても楽しく、生活にも意欲がみられます。障害のある子供たちがもっと多く、在宅訪問指導が受けられるといいと思います。
三、特殊教育推進地区の活動
特殊教育推進地区は、心身障害児に対する適切な教育の実施を期するため文部省が昭和四十二年から実施しているものであります。これは、全国八ブロックから一都道府県を選び、その都道府県に特殊教育推進地区の指定を委嘱します。その指定は、人口十万−二十万人程度の市の区域で、指定の期間は二か年であります。
推進地区は、文部省及び都道府県教育委員会の重点的な指導と地域社会の協力のもとに、心身障害児の判別と就学指導を適正に行い、その成果を全国に普及する役割をもっています。
推進地区の主な実施事項は、次のようになっております。
1) 学校及び地域社会の啓発
2) 教員の資質向上と指導の充実
3) 対象児の適正な判別の実施
4) 教育相談の実施と就学指導の徹底
5) 就学猶予、免除措置の適正化
本県では、昭和四十二・四十三年度の二年間、郡山市がこの指定を受けて研究をすすめたが、その後は、この趣旨を受けて県教育委員会が独自に特殊教育推進地区を設置し、市町村における心身障害児判別・就学指導体制の確立と、判別・就学指導を適正に行い、その成果を県下に普及することにしています。今までこの指定を受けた地域は、会津若松市・相馬市・いわき市であります。
昭和五十・五十一年度は、本宮町・大玉村・白沢村の一町二か村を指定しました。この地域では、心身障害児に対する適切な教育の実施に関する事務を共同して管理し、執行することを目的として、地方自治法第二百五十二条の二による「本宮方部特殊教育推進協議会」を設置して活動しております。
就学指導委員会もこの協議会の中に設置されており、小規模町村における就学指導委員会の共同設置は早くから奨励されていたものですが、これが県下始めての試みであり、その成果が期待されるところであります。
就学指導委員会の共同設置の方法としては、「一部事務組合の設置」「事務の委任」「協議会の設置」「委員会の協同設置」が考えられますが、ここでは、本宮方部で採用している「協議会の設置」(地方自治法による)の事務手続きをあげましょう。
(1) 関係地方公共団体との事前協議
まず、当事者間で事実上の協議が整ったなら規約案を作成する。規約案の形式については条例、規則等に準ずべきである。
(2) 設置の協議についての議会の議決
関係地方公共団体において、同一の規約案により、設置の協議につき議会の議決を経る。通常の議案の提出及び議決の手続きによる。
(3) 設置した旨及び規約の告示
告示は、他の一般の告示と同様であって公報あるいは掲示板をもって行う。
(4) 設置の届出(県知事あて)
このような手続きを経て設置された「本宮方部特殊教育推進協議会」の規約をあげ、他市町村の参考に供したいと思います。
本宮方部特殊教育推進協議会規約
第一章 総 則
(協議会の目的)
第一条この協議会(以下「協議会」という。一は、心身障害児に対する適切な教育の実施に関する事務を共同して管理し及び執行することを目的とする。
(協議会の名称)
第二条協議会は、本宮方部特殊教育推進協議会という。
(協議会を設ける町村)
第三条 協議会は、本宮町・白沢村及び大玉村(以下「関係町村」という。)が、これを設置する。
(協議会が担任する事務)
第四条 協議会は、次に掲げる事務を管理し及び執行する。
1、対象児の的確な判別の実施
2、教育相談の実施と就学指導の徹底
3、就学義務の猶予・免除措置の適正化
4、教員の資質向上と指導の充実