教育福島0013号(1976年(S51)08月)-015page
特殊教育担当教員の指導者養成及び中堅教員の研修を目的として、毎年、国立特殊教育総合研究所、国立大学等に教員を派遣しております。
本年度の派遣状況は前ページの下の表のとおりであります。
次に、国立特殊教育総合研究所で一年間研修に励んだF養護学校K先生の感想の一端を紹介しましょう。
研修を終えて
一年間の研修は、私の心身障害児教育及び家庭生活に一つの節を作ってくれた実に有意義なものであり、また楽しいものでした。
ある時には研究の厳しさを味わい、ある時には子供の顔を思い浮かべ、ある時には全国各地から集まっている研修生同志で杯を交しながら交流を深めた日々が、懐かしく思われます。その一端を述べてみます。
最近、教育界で注目されている課題に取り組み、活躍されている先生方に接する機会を得ました。
アメリカでオープンスクールの実践をしているジョン・バーナー氏、授業の効率化を目ざした授業シュミレーション・システムを開発された東京学芸大学教育工学センターの先生がた、幼児の主体的な活動を自然の中で伸び伸びと育てていこうとしている野中保育園の先生がたたちなどです。
こうした先生がたから得た情報は、とかく狭い枠の中でのみ考えがちだった私の教育に、新たな視野を与えてくれました。このような刺激は、自分の教育を反省する機会ともなり、新たな教育実践への意欲がいや応なしに燃えてくるものを感じました。(以下略)
五、小中学校特殊学級
特殊学級は、心身に障害をもつ児童生徒のために、その障害に応じて特別な教育を施す目的で、小学校及び中学校に設置された特別な学級であります。
この学級は、盲学校、聾学校、養護学校の児童生徒より障害の程度が軽度の者を教育対象とするものであり、学校教育法によると、小学校・中学校及び高等学校に設置することができることになっております。
わが国の特殊学級には、精神薄弱児肢体不自由児、病弱・虚弱児、難聴児言語障害児等を対象とするものがありますが、本県では前述のとおり、肢体不自由児対象を除いてはすべて設置してあります。
特殊学級では、障害に応じた特別な教育を施すため、特別な教育課程を編成し、実施することができますし、教科書の採択にも特例があります。
また、一学級の児童生徒数も十二人以下を標準としております。
1、特別な教育課程
小学校または中学校の特殊学級における教育課程は、本来、それぞれ小学校または中学校について学校教育法施行規則に定められている各教科、道徳及び特別活動の三領域とその標準時数により、別に学習指導要領に示された目標や内容をもって編成されるべきであります。
しかしながら、児童生徒の心身の障害等の実態に即した適切な指導を行う心要から、前述の規定にかかわらず特別な教育課程を編成することができることになっています。(学校教育法施行規則第七十三条の十八)
ただし、この場合には、これらの学校の設置者は、市町村立学校にあっては都道府県教育委員会に、私立学校にあっては都道府県知事に、あらかじめその実施方法を届け出なければなりません。(学校教育法施行規則第七十三条の十二第三項の規定準用)
ところで、特別な教育課程を編成する場合には、特殊教育諸学校小学部・中学部の学習指導を参考にし、よりどころとすることが望ましいと考えられます。
特に精神薄弱児を教育する特殊学級にあっては、生活単元学習や作業学習などの展開と関連させた観点から各教科の全部または一部を合わせたり、その他の領域の内容を統合するなどの方法を試みる必要がありますので、養護学校(精神薄弱)小学部・中学部学習指導要領が、最も有力な参考となりましょう。
しかし、特殊学級の児童生徒は、養護学校のそれとまったく同じというわけではないので、小中学校学習指導要領あるいはその他の適切な資料も参考にしながら、教育課程を編成する必要があります。
特殊学級では、このようにして編成した教育課程によって、普通学級と同じような各教科別指導とともに、生活単元学習や作業学習の形態で指導をすすめております。
また、特殊学級は小人数のため、指
1) 宿泊訓練におけるキャンプファイヤーの準備