教育福島0013号(1976年(S51)08月)-018page
に言われるようになりました。
親と子が、ことばを使って少しずつでも意思が通い合うようになりました。
まだまだ、これから訓練の日々が続きますが、私は、本当に早期教育の必要性を、身をもって体験させていただきました。
高 等 部
郡山市郊外の大槻町西の宮西に位置し、大自然のなかに三階建ての近代的校舎であり、広い校庭の向うには、東北自動車道そして四季折々の山並みを眺めることができます。
生徒数五十七名(男二十三名、女三十四名)、クラス一、二、三年計七クラス。そして普通科と職業化が設置されています。
普通科は、基礎学力をいっそう修得させ社会人としての一般教養を身につけさせるとともに将来、専攻科・各種学校専修学校等に進み、多方面な職業につけること、を目標とし、職業科は実社会で役立つ技術、知識、態度を身につけることによって、勤労と責任をたいせつにする職業人を養成することを目標としております。
聾学校では、小中学部より対外交流の機会を多くつくっていますが、特に高等部においては、聾学校高等部の東北聾体育大会、全国聾体育大会、近県(宮城・山形・福島)の三県球技大会等に加えて、三年前より普通高校との交流をはかり高校体育連盟に加入、野球(軟式)、排球、陸上競技等の県南予選に出場大いに活躍し交流を深めています。
本校から二十メートルぐらいの本校敷地内に寄宿舎があり、自宅より通学できない者や県外からの生徒が入舎し舎監長や寮母とともに自治活動をとおして生活をしております。
次に各職業科の現況を述べてみると
(1) 産業工芸科(木材加工)
具体的目標
○ 工業の各分野における中堅技術者に必要な知識技術の習得
○ 工業技術の科学的根拠を理解させその改善進歩を図る態度の養成
産業工芸科機械室の一部
○ 工業の社会的経済的意義の理解
○ 共同して責任ある行動をする態度
と勤労に対する正しい信念の育成
以上の目標から職業人としての資質をつくり、多様化している職業社会に適応していける能力をつけさせるための努力をしております。
施設設備
産業工芸科室は、独立平屋百八十平方メートルで組立室と機械室とになっています。
主な工作機械類は、
かんな
手押鉋盤二台、自動鉋盤二台、角のみ機二台、丸鋸盤大小三台、ルーターマシン一台、ダブテルマシン一台、コーナーロッキング一台、その他研磨機プレス機、ミシン機、ボール盤、塗装用コンプレッサー等があります。
専門科目と実習内容
専門科目として工芸製図、工芸材料工芸工作、工芸史等を指導しています。
実習内容としては、基本工作として各種組手、つぎ手の部分工作、その応用として小物製作(整理箱小テーブル台類一学年進行とともに実習内容も高度化し、主として一般家具に重点をおいており、主なものとして戸だな類、下駄箱、収納家具(整理タンス、和洋タンス)ケース箱、テーブル類であります。製作と同時に塗装実習も相当高度な内容と技術まで指導しています。
就職の実態
産業工芸科の就職の業種をあげると建具、看板、建築塗装、トレス、サッシ、製印、木彫、大工等があり、関連外のものでも技術的業種について、すべて就労可能で健聴者と肩を並べて活躍している状況です。
(2) 金属工業科
昭和五十年度に新しく設置された科であります。
具体的目標
「機械の知識を修得し、技術を身につけることによって、勤労と責任をたいせつにする職業人を養成する」ことを目標として努力しております。
施設設備
独立平屋二百平方メートルの金属工業科室があります。
金属工業科の旋盤実習