教育福島0013号(1976年(S51)08月)-021page
の偏見にうちかつような力を育成する。」ねらいで開設しています。
講座の課題としては
1) 養護学校及び特殊学級を卒業した青少年が、社会に出てからの余暇の利用の仕方を指導する。
2) 社会に出てからのトラブルに正しく対応でき、いじけないよう指導する、の二点であります。
指導方針としては、
1) 家庭や職場における人間関係や、社会生活への適応ができる。
2) レクリエーションを中心に生活にうるおいをもつことができる。
3) 指導には心理療法のシステムをとり入れる。
4) クラスを二クラスに分けて指導する。(勤務形態による)
以上の方針のもとに毎月の第一土曜日、午後一時から三時まで、第一日曜日、午前十時から十二時まで、第三日曜日、合同で午前十時から三時まで学習します。
現在この講座に在籍している青少年は九十五名いますが、六月二十日の開講式には四十七名が出席して、三月の修了式後の再会に歓声をあげて喜びあっていました。この開講式を待ち望んでいた青少年は数多く、電話で問い合わせる者、直接来館して期日を確かめる者もあったほどです。
開講式当日は、バラの花を持参して飾る者、一時間も前から来館して会場づくりを手伝う者等、その表情は生き生きとして明るいものがあります。
彼らにとって学習案内の手紙をもらうことが待ち遠しく、公民館に通うことが至上の喜びであるように思います。
学習内容については、絵画、版画、工作等の美術関係水泳、リズム体操の体育関係
手紙の書き方、映画と話し合い等の一般教養、それに社会見学、生活指導が計画されています。
この講座の指導者は、養護学校の先生が六名、太陽学園の先生が四名、民間指導者が二名、それに中央公民館から担当職員二名、計十四名が一体となって、この講座の運営にあたっています。
この講座に御協力いただいている先生方は、よく青少年の動向をは握しておられ、生活指導面まで細かく指導されています。
ただひたすらに青少年たちを思い、青少年に接することを好み、健全な人生観を基盤にし、青年たちのもつ興味と意欲を伸ばすように努める教師の姿に、教育の原点を見出すことができます。
第一回の学習は、映画を見ての話し合いでありました。教材は福島を紹介する記録映画で、画面に出てくる風景に歓声をあげ「○○さんに連れていってもらった。」「あそこは○○だ。」「漫画よりいい。」と興奮が会場にうずまきました。
この青年たちの幸せのため、いい思い出を残してやりたい。温かく接してやりたい。時間はかかるけれども根気強くと思います。忘れかけていた人間にとってたいせつな事が、この青少年たちの言動によって呼びおこされ、感動することもたびたびでした。
この講座が、いっそう発展するためには、近隣社会のあたたかい理解と、親が恥ずかしがらずに講座に出席させることがたいせつと思います。
「しゃくなげ青年講座」開校式
絵画学習
九、特殊学級・養護学校の進路開拓
「福島市中学校職能開発研究協議会」
心身障害者の就職は、普通でさえむつかしいのに加え、産業界の不況によりいっそうむつかしさを増している現在の状況に対処するため、福島市内では特殊学級と福島養護学校の出身生徒のため「福島市内中学校職能開発研究協議会」を組織して、雇用促進と福祉の啓発増進に努めています。
この会は、昭和四十六年より発足し福島市内の学校、事業所、市教育委員会、公共職業安定所及びこの会の趣旨に賛同するものをもって組織活動をしています。
本会の事業としては、