教育福島0014号(1976年(S51)09月)-008page

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進めるためには、指導計画を検討してその改善を図ることが必要である。

そのためには、現にある指導計画を見直し、配当された題材で、学年の指導目標や指導内容と指導時数が見合っているかどうかを検討することがたいせつである。

また、児童生徒の能力や地域の実情学校における施設設備等の条件などを考慮し、年間指導計画が月や週の指導計画に具体的に結びつくように配慮することもたいせつである。

以下、指導計画を改善充実するための視点について述べる。

(一) 指導計画改善の基本的な考え方

学習指導要領に示されている各学年の目標と、「基礎」をふまえた鑑賞・歌唱・器楽・創作の各領域の指導内容が、統合的に扱われるよう相互の関連を重視した指導計画にすること。

(二) 指導計画改善の手順

(1) 学年の目標及び各領域の指導内容をじゅうぶん検討して、正しい理解をもつこと。

全体的な計画の中で、相互に各領域の関連をもたせ、目標の確認と領域のバランスを図り、統合的なものとなるようにする。

(2) 児童生徒の実態や、地域・学校の実情をじゅうぶんに調査・検討し、理解しておくこと。

児童生徒の実態の背景となる地域の実態・学校の指導体制・学習環境や施設・設備等について必要な調査を行い、実態に密着した独自の指導計画にするための努力が望まれる。

(3) その学年の目標を達成する教科書教材を吟味する。

各学年の目標や、指導内容を児童生徒に定着させるための指導計画であることをじゅうぶん意識して検討する。

(4) 教材の配列は、指導内容をふまえ系統的に組まれ、児童生徒の生活の実態との結びつきから季節、学校行事、地域の実情等を考慮する。

(5) 指導計画改善の方法

指導計画として作成されたものの中には、指導内容の重点的な取り扱いも考えず、教科書教材を消化していく単なるら列的なものがみられる。

その学年の目標や内容を確実には握し、その内容がどの教材によって学習され、基礎能力となって定着していくのかを考え、学習活動と指導内容が一致するような実質的な指導計画になるよう改善を進めたい。

(1) 年間総時数の確保

学校行事(校内音楽会)等を考慮しながら学期・月別の指導時数をもとに各教材の配当時数を検討する。各教材の時数は、指導内容とその系統性をじゅうぶんに考慮する。

(2) 月別教材の選択と配列

鑑賞・歌唱・器楽の領域において、学習指導要領に示された共通教材や、年間に指導する曲数について留意しなければならない。

例えば、小学校五年生では、鑑賞曲八曲以上、歌唱曲十一曲以上、器楽曲三曲以上と示されているところであるが、教科書教材で考えると、教科書によっては三十曲以上の教材をあげている例も見られる。各学年の指導内容をどの教材によって指導し、音楽性を育成していったらよいかを考えるとき、教材の選択はまことに重要である。

(四) 指導計画作成の実際

(1) 指導内容の重点化(形式例一)

教材として使用する曲は、共通教材を含めて、目標や指導内容と曲の構成がどう結びついているか、重点的な指導のねらいをどこにおいて指導するかなど、教材の構成と指導内容との結びつきを検討するとともに、各領域のバランスを考慮することがたいせつである。

形式例一のように、学年の指導内容をたて軸に各領域別に示し、よこ軸に教材をおき、その学年における指導内容をチェックしていくと、どの教材でどの領域のなにの内容を指導したらよいかがはっきりしてくるし、各領域のバランスもとりやすい。

指導内容の重点的な取り扱いも、どこにポイントをおくかも、明確になる。

(2) 年間指導計画(形式例二)

この題材を使って、目標や指導内容のなにを中心として指導するかをじゅうぶんに考慮し、使用しやすいものにしていきたいものである。

 

(形式例1) ○年

(形式例2) ○年

(形式例2) ○年

 

 

 


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