教育福島0014号(1976年(S51)09月)-015page
家庭
技術・家庭
小 学 校
昭和五十一年度小学校家庭科の指導の重点は次の四項目である。
一、「家庭」の領域を基盤として「被服」「食物」「すまい」の各領域が総合的に学習できるように指導計画の改善をする。
二、消費者教育を重視する。
三、実践的態度を育成するための指導法について工夫する。
四、施設・設備の整備充実とその活用
以上の点について各校では、すでに努力されていることと思うが、ここでは特に重点事項の一について述べ、今後の工夫改善の参考にしたい。
一の指導計画の改善については、更に四つの小項目を示して努力事項としているが、それぞれについて具体的に述べ工夫改善の手がかりとしたい。
(一) 学習指導要領、小学校指導書家庭編(文部省)や教料書等の研究を深め、各領域の目標をは握し、また、児童の能力・経験・地域の実態を分析し、各領域の指導の目標を明確かつ具体的にする。
このことについては表1のような関連表を作成し検討することによって各領域、五年・六年の目標内容が総合的かつ具体的には握できると思う。
このように各領域・各学年ごとに関連表を作成し、総合的に検討することによって、目標と題材の関連が明確となり、どこに重点をおけばよいかが明らかとなり、児童の実態にふさわしい到達目標が設定でき、更に効果的な資料や指導方法も見いだせると考える。
(二) 各領域の関連を分析し、題材の配列・時数の配当等を適切なものとし各領域の関連を図り総合的に学習できるように配慮する。
家庭生活は衣食住の生活が総合されて営まれている。家庭生活に焦点をあてて、学習させる家庭科の指導にあっても衣食住の指導が個々に終わってしまうことのないように「家庭」の領域を基盤として総合されるよう、各領域の関連をじゅうぶん研究して指導することがたいせつである。そのためには、表2のような関連表を作成し、各領域の関連をおさえておくと効果的である。なお消費者教育との関連もあわせておさえるようにする。
(三) 指導内容の系統化・構造化を図りまた、児童の実態に応じて、内容の重点化を図る。
このことについては、学習指導要領及び指導書・教科書等を熟読し、各領域各学年、各題材の目標内容を検討し五年から六年への系統性・発展性を研究するため、表3・表4に示すような関連表を作成し、研究を進めることがたいせつである。
これらの表を分析検討することによりどの内容のどの点はどう扱うのが効果的なのか知る手がかりとなると思う。
また、自分が現在指導している内容は家庭科の指導内容全体のどの部分に位置しているかをは握することができ総合的に学習させるのに効果的である。
(四) 授業実施後の反省をし、領域や題材の配例、指導時数の配当など、より適切なものに改善していく。
〈表1〉 目標と題材の関連(第5学年被服領域の例)
〈表2〉 他領域及び消費者教育との関連をおさえる
(第5学年被服領域の例)