教育福島0014号(1976年(S51)09月)-016page
〈表3〉 被服領域における5年,6年の関連
(第6学年,被服製作に関する内容の例)
〈表4〉被服領域の展開
(第6学年被服製作に関する内容の例)
このことについては、教科担当者各人が授業実施後の記録を克明にし、その後担当者全員の研究協力により、その学校としてのよりよい指導計画を立案することがたいせつである。
小学校家庭科は、全般的にみて条件整備がじゅうぶんとはいえない。五、六年のみの教科であるため、全校の研修体制がとりにくくそのうえ低学年からの出授業が大半を占め、午後の授業が多く年間の時数確保が困難であったり、また教材研究や授業の準備がふじゅうぶんとなりやすい。
教育の今日的課題である「なすことによって学ぶ学習」「豊かな人間性を育成する教育」にとって、家庭科教育はまさにそのものであり、その意義は大きいものがある。各校においては、家庭科主任や熱心に実践している一部の女子教員にのみまかせることなく、学校あげてとりくんでいきたいものである。
中 学 校
技術・家庭科では、本年度の努力点として次の三つをあげている。
一 実践的活動が中核となって学習指導が展開されるよう工夫する。
二 教材の構造化を図り効果的な指導ができるよう工夫する。
三 施設・設備の改善・充実に努め、安全教育に徹し、事故を未然に防止する。
これら三つは、いずれに軽重をかけるべきかというものではなく、各学校の実情に即し、更に、努力点を明確にして実践していくべきである。その際指導計画の検討や、毎時の授業充実をより具体的にするための考察をしてみたい。
一、題材・指導計画の検討
本教科では、生徒の主体的・創造的な実践活動を通して、ものを作る喜びを味わわせながら、計画・製作・整備などに関する技術の基礎を習得させることを重視している。従って、各領域の指導内容にふさわしい実習題材を選定し、その題材の「実習」を中心として、学習活動が総合的に展開できるような指導計画の改善が望まれる。
各領域の指導内容に即した題材選定の観点については、文部省編、中学校指導書「技術・家庭科編」にくわしく述べられているが、なお、更に、
○ その題材では技術の習得は可能か。
○ その題材で小学校の学習経験を深化発展させることが可能か。
○ その題材で生徒の個人差に応ずることが可能か。
○ その題材で生活の目を開くことが可能か。
などの角度からも題材を吟味し、各学校に最適の題材を選定するよう望まれる。
二、学習指導過程改善の方法
(一) 指導過程の基本を設定する。
生徒の実践意欲を育て、主体的に学習を展開させていくためには、教材内容の構造化とともに、生徒自らが学習課題を見定め、これを追求していくことのできる指導過程を設定することが
図1 指導過程の基本