教育福島0014号(1976年(S51)09月)-018page

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外国語

(英語)

せることをめざして次の三つの柱を立て、それぞれに努力すべき観点を掲げた。

 

「中学校は外国語を教科として履修させる最初の学校であるから、当然外国語の能力の基礎を築くことになるわけである。このような基礎を築く段階においては、外国語を音声として、文字として理解し表現する能力を、一方に片寄ることなく、調和を保ちながら養うことが必要になる。」−指導書「外国語目標設定の基本的な考え方」−これをふまえ、本年度外国語科(英語)の指導の重点策定にあたり、学習指導要領に示す目標及び内容に照らし選び出された基本的な言語材料を生徒の能力に応じ、確実に身につけさせることをめざして次の三つの柱を立て、それぞれに努力すべき観点を掲げた。

一、生徒の運用能力を高める指導計画を作成する。

二、学習指導法について研究を深め、生徒の言語活動を充実する。

三、授業の確かめと、指導の改善に役立つ評価のあり方について研究する。

これらの指導の重点事項・努力点はなにも新しいことではないが、現実の学習指導をふりかえり、再確認しながら、継続的に努力を積み重ねることを意図して設定されたものである。それぞれの重点事項で、特に強調したい点について述べることにする。

 

一、生徒の運用能力を高める指導計画を作成する。

 

1、基本的事項の選定

 

英語の学習指導がその目標を達成することができるかどうかは、言語材料における基本的事項の選定が適切かどうかにかかっている。その選定・配列は慎重に行われなければならないが、特に次の二点に留意したい。

(一) 言語材料の全体を見通して基本的事項を選定すること。−言語材料には、それぞれの構造があるので、その全体を見通して、そこから基本的事項を選定しなければならない。具体的には、英語が累積的な性格をもつものであるから、教科書にもられている言語材料のみに頼ることなく、それぞれの言語材料の全体的な構造をじゅうぶんには握して、その広い立場から基本的事項を選定していくことが必要である。そのためには、学習指導要領並びに教科書研究の深化を図り、中学校英語の全容をつかみ、その教材構造を明確にすることがたいせつである。

(二) 基本的事項は、より基本的なものからやや進んだものへと発展的に構成すること。−英語が累積的性格をもつものであること、さらに、中学校の英語が英語を聞き、話し、読み、書く能力の基礎を養うことを目標としていることなどから、単に基本的と考えられる事項を平面的、ら列的に選ぶだけではじゅうぶんではない。基本的事項の中にもより基本的なものもあれば、やや進んだものもあるわけである。したがって、基本的と考えられる事項を選定したのちには、それらの中でより基本的なものからやや進んだものへと発展的に構成していくことが必要になる。

要は精選された基本的事項を、適切に配列し、習熟させていくことにより充実した授業の展開が期されるのである。

 

2、指導計画の改善

 

中学校指導書「外国語編」では指導計画の作成に当たり、留意すべき事項として「領域間の調和を保つこと」、「精選・配列された基本的言語材料を反復練習させること」、「語及び連語の選択に当たり、表現できるところまで指導するものと、理解にとどめるものとを明確にすること」の三点をあげている。このことをふまえ、次の点に着目してその改善に努めたい。

(一) 広域指導計画の基本性・共通性を踏まえ、地域の特性、生徒の能力・適性に応じ、適切に自校化を図り、実際

 

 

 


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