教育福島0014号(1976年(S51)09月)-020page
表2
反復練習を心ゆくまで行うことができて定着が深まるカセットテープレコーダの導入が考えられる。
○アナライザの利用について
イ、指導内容や指導方法などの確認改善が行われ、授業の質が向上する。
ロ、生徒の学習意欲を高め、学習へ積極的に参加させ、理解の向上をもたらす。
ハ、生徒の反応の記録を容易にすることができる。
などその効果がじゅうぶん期待できるが、教師はその使用の価値を確認し、集団の中の個別化を可能にすることを意図しなければならない。
○LLの機能は
イ、現場で得がたいnative speakerの音声を空間抵抗なくして生徒の耳に直接おくりこめること。
ロ、教材提供ばかりでなく、教師・生徒相互の直接通話を可能にするしたがって集団の中での個別指導を可能にする。
などと考えられるが、単調な学習形態におち入るのを防ぐため、視覚教材使用や音楽鑑賞をとり入れて変化をもたせる工夫が必要である。
三、学習の確かめと、指導の改善に役だつ評価のあり方について。
(一) 指導計画をたてるに際し、まず指導目標を明確にしなければならない。指導目標が明確であるということは学習の結果、学習者がその目標に到達したかどうかが客観的に観察できるということであるし、その生徒の反応をみて、生徒が学習に動機づけられているかどうかを教師は判断して更に学習指導を展開できるのである。
(二) 指導目標を明確化する際、それが目標としてふさわしいかどうか、即ち、妥当性についても検討が加えられねばならない。生徒の実態、施設設備授業時間等の現実の諸条件を考慮したうえで、その達成に可能性のある目標を設定することである。
(三) 生徒の学習態度や行動を観察し調査することによって、目標がどのように実現され、どこが達成され、どこに問題点があったか、それらの度合いはどの程度であるか、等が明らかにされなければならない。
(四) 教師として生徒が学習した結果を評価しなければならないことは当然であるが、努力したが評定がよくなかったことを嘆くのではなく、努力したこと自体が尊く、多少とも学力が向上しつつある点を強調して常に前向きに考えさせ、将来への望ましい学習計画をたてさせる必要がある。