教育福島0014号(1976年(S51)09月)-021page

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特別活動

特別活動では、今年度の指導の重点事項として、

 

特別活動では、今年度の指導の重点事項として、

一、望ましい集団活動をより充実したものとするため、指導計画を検討し改善を図る。

二、児童生徒が自主的、実践的活動ができるよう指導の徹底を図る。

三、各内容ごとの重点

などを取り上げ、さらに具体的な観点を設定している。

次に、三、各内容ごとの重点の中から主な観点についての考察と展開の際の留意事項を述べ、各学校の特別活動を充実するための手がかりとしたい。

 

一、児童会・生徒会活動

学校生活上の諸問題について、児童生徒自身に気づかせ、自発的、自治的実践活動を助長するよう努める。

 

児童会活動の内容には、「学校生活に関する諸問題を話し合い、解決し」とあり、生徒会活動にも「生徒の学校生活の改善と向上を図る活動」と示されている。これらの活動は、代表委員会や各種委員会で取り上げられ、更に組織的な活動として実践されることになる。指導上の留意点をあげてみる。

児童会活動を活発にするために、まず第一に考えなければならないことは取り上げる問題や活動内容を児童自身に精選させることである。そのため、

1) みんなの生活にとって切実な問題であること

2) 解決の見通しが立つこと

3) 創意的な実践活動につながること

などを指導の観点とし、児童会が「きまりづくりの会」とならないよう指導することが必要である。

生徒会活動については、不活発であるとか、役員だけ積極的であるなどの例もみられるが、問題点を明確にして

・ 教師全体が生徒会活動をたいせつな教育活動と考えるようになる。

・ 生徒の共同生活を楽しく、充実したものにする活動であることを全生徒に理解させる。

などについて留意しながら、自発的、自治的活動の助長に努力することがたいせつである。

 

二、学級会活動が話し合い活動に偏ることなく、係活動・集会活動の内容の充実に努める。

 

係り活動のねらいは「児童生徒が学級生活の維持と向上発展を願って、自発的・自治的に学級内の仕事を分担処理するために行う活動である。」といわれている。これに対して、当番活動は学級担任が学級の管理や運営の面から、必要と考える仕事を児童に分担させ、輪番で活動に当たらせるものである。このような意味から、係り活動と当番活動を混同しないように明確にしておく必要がある。

係り活動を充実させるために、最もたいせつなことは、児童生徒にやりがいの意識をもたせることである。自分の活動が教師や学級成員に認められるとき、活動への自覚が生まれるものである。

次に小学校においては、係の設置はともするとその学級の係の伝統や習慣にしたがって、分担者を決定してしまう場合が多い。一人一役である一年生はともかく、中学年以上は、まず、学級生活に必要な仕事をあげてから、それにふさわしい係名をつけるようにしたい。高学年においては、ほんとうにこの仕事が必要なのか、根本的な検討の機会をもたせることが必要と思われる。

 

三、クラブ活動が、児童生徒集団が自発的・自治的に興味・関心を追求する活動となるよう、組織運営を進める。

 

クラブ活動は共通の興味・関心を追求する集団的な実践活動であるが、その組織運営については自発的・自治的な集団活動であることを理解して、児童の自主性がじゅうぶんに発揮できるよう配慮されなければならない。

クラブ活動の組織に当たって、特に留意しなければならない点をあげてみると、

1) 組織のしかたについての基本的な考えを全教師が共通理解をしておく。

2) 学級担任は、クラブ加入指導に先だって児童生徒一人一人の特性・能力、興味などを理解しておく。

3) 前年度の各クラブの特色、活動状況、施設設備の現状、教師の実態などからみて、クラブ設置可能なものや不可能なものを明確にする。

4) 学級指導の時間やクラブ説明会などで、クラブの種類、活動内容、活動の楽しみ、苦労などを資料を生かして、クラブ加入の事前指導を行う。

5) 児童生徒のクラブ加入希望調査を行い、運営上支障があると思われる場合は、児童生徒の意志を尊重しながら希望調整をする。

これらのことは、三月から計画的に進められ、四月早々から活動可能な組織づくりができる方法を検討するようにしたい。

組織上、特に問題となるのが5)に述べてある希望調整の進め方であろう。教師が一方的に他のクラブヘの移動を指示したり、技能テストによって加入を決めたりするのは望ましくない。可能な限り児童生徒自身が納得して、みずから他のクラブへ希望変更するよう指導したいものである。また、児童生徒によるクラブ活動運営委員会などを

 

 


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