教育福島0014号(1976年(S51)09月)-038page

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福島教育センターから

 

教育センターのコンピュータ実習

−県立高校生徒実習の一例−

 

まえがき

 

最近、高等学校普通科の生徒が、教育センターのコンピュータを利用するケースが目立ってきました。

商業科や工業科の生徒は、センターでの実習を専門科目の中に位置つけておりますが、普通科の場合には、クラブ活動やグループ研究としての利用が多いようです。

昭和四十六年に教育センター第三研修部(情報処理教育係)が開設されて以来の利用人員は、年々増加の傾向にあり、現在までに延一万名を突破しました。

利用の方法は、センターに来所してもよいし、メール制(郵送方式)により遠隔地の生徒も間接的にセンターのコンピュータを利用することもできるようになっております。

では、県立高等学校の実習の一端を紹介しましょう。

 

○ ミニコンピュータ導入校の教育センターでの実習について

 

喜多方商業高等学校

事務科 三年 五十嵐美智子

 

目新しい機械が立ち並び、そして、初めて手にするカードせん孔機。私の心の中には、ひとつの決心が生まれていた。「絶対に、完成させてやろう。」そんな、一つの決心が。

思えば、この日は、緊張の連続だった。なにもかもが、私にとって、初めての経験だったから。見たこともない機械が、次々と私の目に飛びこんできて、目の前で、それが作動してゆくのだ。その出力の速さたるや、学校の機械とは、比べものにならないくらいだ。やはり、なにかが違う。違っているのだ。私が、ミニコンピュータで経験してきたことなど、ほんのちっぽけなものではないか。それで満足してはいけない。もっと大きな、すばらしい機械があることを忘れてはいけない。私は、大きな希望が、心の中にわきあがってくるのを感じていた。

私は、コンピュータが大好きだ。きっと、エラーを出した時の、あの苦い思いと、完成させた時の、はちきれんばかりの喜びを知っているからだろう。この身体で、この心で体験してきたことだから、私も、この手で、自由にコンピュータを操作してみたい。そうなったら、どんなにかすはらしいことだろう。

私は決して忘れはしない。この日のことを。この日の経験を。きっと、これからの生活に、役立つことだろう。

最後に、センターで、親切丁寧に御指導下さいましたみなさま、よい経験を積むことができ、ほんとうに、ありがとうございました。

 

○ 夏季休業中におけるグループ研究

 

勿来工業高等学校

電子科 三年 三浦  哲

 

夏休みに入って十日目、私たちは佐藤(嘉)先生の引率で、教育センターで一泊二日のコンピュータ実習をしました。私たちの学校には電算機が設置されていないので、一学期中に勉強した事を確認するため、一つでも多くのプログラムを通すように、と先生に指示され全員が食事の時間も惜しんで勉強をしました。また、センターの先生方の適切な御指導で、夢中になってランを繰り返しました。さらに夜は、センターから宿題を出され、佐藤先生に聞くと『自分でやれ』との返事なので、本当に苦労をしながら、十二時過ぎにようやく完成しました。頭がボーとしてかなり疲れましたが、すぐにスポーツの後のように気持が良くなりました。二

実習中の喜多方商業高校生

実習中の喜多方商業高校生

 

 


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