教育福島0014号(1976年(S51)09月)-039page
日間で一人平均八題の問題を解く事が出来たのです。
今回の実習で不便を感じた事がありました。それは、センターの宿泊施設を利用させていただけなかったことです。もし利用できれば、経費が安くあがり、旅館からの移動等のロスタイムも少なくなり、それだけ多くの時間をかけて自分で納得のゆく実習ができたと思います。
後輩のためにも、少ない費用で多くの実習ができるように考えていただければと思います。短かい時間ではありましたが、コンピュータに親しく接することができたことは、本当にすばらしく、楽しい実習でした。
○ 数値制御工作機械におけるプログラミングと切削実習
平工業高等学校
精密機械科 三年 佐治由晴
我々は、数値制御フライス盤についてはじめての経験をいたしました。
工作機械の数値制御に関する概論、旋盤、フライス盤にたいする簡単なプログラミングは、計測制御の授業の中ですでに学習ずみでありました。
今度、教育センターのフライス盤実習で、ローマ字による表札製作に参加いたしました。
設計製図とプロセスシートの作成が一日、プロセスシートによるせん孔とチェックが一日、機械操作が一日で、計三日間の予定でした。
自分の作成したペン書きのテープでしたが設計通りに作動するのを見て感激し、なんとなくプログラミングに自信をもてたような気がしました。
ただ、反省としていえることは、デザインが重要だということです。各のペン書きを比較して特に感じたことです。
また、我々が一番苦しい作業と感じたことは、せん孔作業でした。
「G」記号の脱落、「復回」の打ちわすれなどせん孔ミスが多く、テープ作成に時間を要したことです。もう一日、学校でのせん孔作業をし、印刷シートによるテープチェックが完了しておれば、全員のペン書きに時間をとらず切削作業までできたことと思います。
NC実習に取り組む平工業高校生
今回の実習では、切削加工ができなかったことが残念でたまりません。また機械の操作、工具、材料のセッテング、切削速度の選定、送り速度の決定など多くの課題を残したままとなってしまったので、宿泊のできる実習を希望します。
○ 県教育センターでのコンピュータ実習を終えて
安積女子高等学校
二年 玄葉 裕子
私たちは、去る七月二十七日、初めて県教育センターを訪れました。
私たちが、汗をかきながらここに到着すると、三人の先生方が、私たちを待っていらっしゃいました。そして、研修室へ通されて説明を聞き、すぐに実習に取り組みました。
今回の実習の目的は、自分の作成した。プログラムをコンピュータに掛けることでした。私たちは、週一時間のクラブ活動の時間を利用して作成したプログラムを、ここでプログラムカードに打ち直し、コンピュータに掛けてみました。初めに、カード・リーダーのスイッチを押します。すると、数秒間の間に印刷され、見てみると、なんと計算の結果ではなく誤りの指摘でした。本当にがっかりしました。時間はじゅうぶんあるので再度挑戦です。まず、まちがった箇所を訂正し、よく吟味して、機械室へ急ぎ足で行き、すぐにスイッチを押しました。また誤りの指摘でした。このようなことを何度くり返したことでしょう。予定の時間を過ぎても、まだ完成しません。気持ちばかりがあせっていると、先生がいらっしゃっていろいろ親切に教えて下さいました。私たちのミスしゃすいところを注意して下さったり、いろいろなアイディアなどを教えて下さったり、本当にあの時は助かりました。
こんなことをしているうちに、もう汽車の時間です。今日の実習は、私たちにたくさんのことを教えてくれました。今後、また機会あれば、センターを利用したいと思っております。
あとがき
情報化社会の要請にこたえるため、高等学校では、今後ますます情報処理教育が推進されなければならないでしょう。
コンピュータの情報処理教育に占めるウェートの大きさは、申すまでもないと思います。
若いうちにコンピュータに親しみ、それを活用する上で必要な情報処理に関する基礎的な資質を身につけることが、現代の教育的課題となっています。
当教育センターでは、県立高等学校のみでなく、教育の機会均等という立場から、私立の高等学校にも門戸を開いています。
まだ利用されていない学校で、御希望があれば、御連絡下さい。