教育福島0015号(1976年(S51)10月)-022page
(三) 自己診断票の活用
本校の研究主題の意欲的な生活態度を育てるねらいにせまるために、教師の一方的な指導に終始することから脱却し、生徒自身が自分をよく知って、自分の短所を補い、長所を伸ばすことに、生徒自身自ら積極的に取り組むことでなければならないと考え、前図のような自己診断票を作成し、断片的な片寄った自己理解でなく、全体的・総合的に自己理解の指導に当たっている。
(四) 生活カードの活用
ある一定期間、次にあげたような目的をもって、生徒に生活カードの記入をさせた。その結果、時間的・方法等にはやや問題があったが、生徒たちが毎日の生活の問題点を自分たちのものとして意識化し、その集計、広報活動などを通して規律部の活動が自主的になり、問題解決のための対策などにも意欲的に取り組む姿がみられるようになったので紹介する。1) 生活カードの目的
○ 毎日の生活を生徒自身が点検し反省の場をもち、その中で日常生活における問題行動を生徒自身に意識化させ、向上しようとする気持ちをもたせる。
○ 結果を規律部員が集計、分析する中で規律部の活動の方向づけを図る。
2) 生活カード様式
3) 生活カードの処理手順
◆「意義ある高校生活」
−学校に親しみを持たせ、学習意欲を高めるにはどのようにしたらよいか。−
福島県立白河女子高等学校
一、学校概観
本校は生徒数千二百三十名の女子普通科高校である。大正三年創立以来、県南地域の女子中等教育の場として確固たる地位を築いてきた。隣県をも含む県南一帯の広い範囲からの子女が学び卒業生の総数は、一万二千余名を数える。
生徒は素直で明朗温和、学習活動、クラブ活動等で成果をあげつつある。学力と進路志望の面は多様であり、また重層的である。今年度三年生の志望は、進学五八%、各種学校二四%、就職一八%で、今後ますます進学希望者は増加しようとしている。
二、主題設定の理由
『意義ある高校生活』学校に親しみを持たせ、学習意欲を高めるにはどのようにしたらよいか。
本校は近年学習活動、クラブ活動において着実な発展をみせており、一人一人目標を持たせる指導は、一応軌道にのりつつある。その中で、なお学校生活に適応できず、意欲を持てないでいる生徒は少なくない。これらの生徒に、どう対処し、どう指導していくかは、重要かつ緊急を要する問題である。生徒の実態をじゅうぶんには握し、現在なにができ、どう進めるかを研究したい。
三、研究計画と内容
実態を調査分析した結果「悩み」を持った生徒がかなりあり、それを教師には相談しないことがわかった。
HRT一四%、HRT以外の先生三%と非常に少なく、残念ながら生徒は教師を敬遠している。生徒は教師を信頼していないのだろうか。とにかく生徒は教師のあり方、態度、人間性を厳
図3 生活カード
記入時間 月曜日〜土曜日の毎日帰りの学活
記入方法 ○各自がそれぞれの項目について判断し○×を記入する。
○ ○×の基準をはっきりと提示する…各自にプリントで配布する
表1 現在悩みがありますか。
表2 悩みは次のどれですか。
図1
悩みはだれに相談しますか。
図2
進路についてだれと相談しますか。