教育福島0015号(1976年(S51)10月)-023page
しく問題にしているようである。
四、学習の意識調査
(一) 教科への興味・関心度について
ア 全科目に興味があり、やる気じゅうぶん 二%
イ 一部の教科はつまらないが大半は興味があり、やる気じゅうぶん 三九%
ウ 一部の科目は興味もあるが大半はつまらなくてやる気もない 五三%
エ ほとんどの科目であまり興味なくやる気もない 五%
オ 全くやる気がない 一%
(二) 教科目に興味がなくやる気がなくなった理由
ア 内容が難解で理解ができないから 二八%
イ 勉強してもよい成績がとれないから 一一%
ウ 勉強のしかたがわからないから 一六%
エ 友達より成績が悪いから 三%
オ 進学、就職に直接関係がない科目だから 八%
カ 指導教師がなんとなくきらいだから 一八%
キ 先生の授業がへただから 一三%
ク 質問されて答えられない 三%
以上のことをふまえて「教育相談」を中心に研究を展開することにした。
(三) 教育相談について
生徒理解のため教育相談は欠くことのできないものであると、すべての教師が考えていることが理解された。
本校では生徒をよく理解するためにホームルーム担任による個人面接を年二回、月間を設けて実施しているが、更に必要に応じて実施している。
教育相談の実施に当たってはいくつかの問題点がある。
教師は放課後、クラブ、課外、生徒会指導などで非常に忙しいのが実態である。したがって「生徒が相談したいことがあっても話し合う時間がじゅうぶんない」が四〇%で第一位になっている。
次に教育相談室がないことが大きな悩みになっているが三三%で第二位となっている。このような外的条件不備のほかに、生徒のかかえている問題は現在の社会を反映して、複雑多岐にわたり、「問題がむずかしい」の順になっている。
(1) 教育相談のくふう改善によって生徒の理解を深め教師と生徒との信頼感を高める。教育相談のスローガンは「いつでもどこでも、積極的にあらゆる機会を捕えて気軽に相談」する。
(2) 教育相談の方法
1)グループ相談
2)個人相談
3)相談票による個人相談
(3) 事例研究会
学年会、生活指導部会で行う。
※相談票による教育相談
○事例二 七月十六日進路について
−授業担当しない社会科教師−
三年生Sは隣県の酪農経営の娘で
長姉も本校を卒業している。
1)裁判所の速記の仕事がしたい、
2)国立か公立の経済学部へ進学志望。
3)両方だめなら宇都宮で就職したい。
本人の成績は組で中位ということ。
(ア)資料として夏休み勉強の合間に時事教養(新聞)をよむように貸与、競争がはげしいから、しっかり勉強するように注意しておく。
(イ)高崎経済大学に本年入学した卒業生Hに手紙で相談するようすすめる。
○事例二 九月一日
数学の学習について
(授業担当しない数学科教師)
1)予習に重点をおいて学習しているが、時間がかかりすぎるので復習に重点をおく学習に変えてよいか。
2)教科書の内容と問題集の内容とで差がありすぎて苦労している。
3)参考書の使い方を上手にしたい。この生徒は組で成績上位者であり、積極的に学習(主に予習)しているので学習のあるべき姿として予習に重点をおくようにすすめる。2)3)は質問を多くし、授業や授業で使う問題集に重点をおくようにすすめる。
教科書以上の学習で壁につき当たっているのでこの事を気にする必要はないと指導した。
◇その成果とまとめ○生徒一人一人が生きがいを見いだし目標を持った意欲的な高校生活を送るための適切な教育相談を進めている。○教師の指導法の研究を深め生徒の自主的な学習態度を育成し、更に本校の実状にふさわしい教育課程を考える。○教科外活動の重要性を認識し、生徒に学校生活に親しみを持たせ、教科学習と両立させ、これを盛り上げるように努力する。
以上のことをふまえ、ホームルームを母体として生徒指導を充実し、教科活動と教科外活動の両立と発展を図りたい。
表3 (教師に対するアンケート)
教育相談は必要だと思いますか
図3 (教師に対するアンケート)
教育相談を実施する時の問題点はなんですか
図4