教育福島0016号(1976年(S51)11月)-006page

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=これからの学校保健・安全=

 

=これからの学校保健・安全=

 

「学校保健は、学校における児童生徒、学生及び教職員の健康の保持増進を図り、学校教育の目的を達成するために行われるあらゆる教育活動である」と定義されているが、実際活動としては、大別して保健管理と保健教育の二領域がある。この両者が、それぞれ有機的に連携を保って学校保健の目的を達成するために、組織的に活動がなされている。

児童生徒は次代をになう世代でありこれらの子供の学校生活が、人間形成と保健教育や保健管理の基盤としての意義をもっているという事実とをあわせ考えるとき、地域保健活動にとってどんなに大きな役割を果たしているかが了解できると思う。

子供は一見健康そのもののように見えるが、実際には、毎年行われる学校定期健康診断の結果をみると、多種多様の疾病異常が発見されている。このような疾病異常を早期に発見し、早期に治療させるだけでなく、できるだけこれらを予防し、更に積極的に健康増進を図るために、多くの分野にわたっての活動が教育と管理の両面にわたって実施されているが、これらの中には地域保健関係者の積極的な協力が得られればいっそう成果を挙げられるものも少なくない。

一般論として、学校は保健教育を中心とすべきであり、管理は教育を円滑・効果的にするための条件整備であると考えられる。しかし、保健問題は簡単に割りきることはできない。とかく保健教育中心的な考え方は、実態を軽視して理想を追うため、思わぬ疾病や傷害を招くことがあるし、他方、管理中心の考え方は、保護過剰となって健康に関しても自律性の乏しい児童生徒を育てる結果にもなりかねない。このように教育と管理は車の両輪として、児童生徒の健康に相乗的な効果をもたらすものである。教育が徹底すれば管理は能率的となるし、管理が充実すれば教育が向上し、効果は生きてくる。

児童生徒の安全を確保するためには児童生徒が安全に関する知識や技術を習得し、積極的に安全に行動するようになるとともに、児童生徒の生活環境が常に安全に保たれていることが必要である。学校における安全管理は、事故の原因となる学校環境や児童生徒の学校生活における行動の危険を早期に発見し、それらの危険を速やかに除去するとともに、不幸にして事故や災害が発生した場合には、適切な救急処置や安全措置ができるような体制を確立して、児童生徒の安全の確保を図るようにすることである。

安全指導については、児童生徒が日常生活の中に必然的に存在する危険に気づいて、常に的確な判断のもとに、安全に行動しうる態度と能力を育てることを目的にしているものである。安

 

 

 


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