教育福島0016号(1976年(S51)11月)-009page

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なければならないものである。しかし最近の子供たちは体力が非常に低下しており、特に、持久力や柔軟性及び筋力が劣ってきている。その原因にはもろもろの学説がのべられているが、単純に考えられるなかに、やはり機械文明の発達により人間の体力が徐々に低下してきていること、また自然の中で自由自在な遊びができなくなったことそれに学校体育が生活の中に生かされていないこと等が身近かな原因として考えられる。

このような点を考慮しながら、昭和四十八年度から昭和五十年度の三年間における、本県の児童生徒の体力と運動能力をスポーツテストの結果から考察してみた。

上の図表は、昭和四十八年度の各種目の平均を基準として、昭和五十年度の各種目の平均値を割り、それに百を掛けて出した指数をもとにして図示したものである。

したがって、上回った、下回ったということは昭和四十八年度を基準にして、昭和五十年度を説明した。

図表の見方は、●印は非常に良い状態。◎印はおおよそ良好状態。○印は良好、△印は変りなし、×印は少し下回った状態、◇印はやや悪い状態◆印は非常に悪い状態を示す記号である。

(1) 体力診断テスト  (図4)

1) 「反復横とび」

男子は十一歳・十三歳及び高校生年代(十四歳から十六歳)、女子は十四歳・十五歳・十七歳が上回っている。

男子の十一歳・十三歳は昭和四十九年度・五十年度の二年間継続(以後継続とは昭和四十九年度・五十年度を意味する)して上昇。女子の十三歳は継続して下降している。

全国平均(昭和四十八年度を基準として)より下回ったのは、男子の十歳と女子の十歳・十一歳でそれ以外はすべて上回っている。

2) 「垂直とび」

男子は十歳・十一歳の小学生年代と高校生年代、女子は高校生年代が上回っている。

男子の十六歳・十七歳は継続して上昇。男子の十四歳・女子の十歳・十二歳は継続して下降した。

全国平均より上回ったのは、男子の十六歳・十七歳である。

3) 「背筋力」

男子の十七歳が上回ったのみでそれ以外はすべて下回った。

男子の十歳・十一歳は継続して下降している。

全国平均より上回ったのは、男子の十七歳と女子の十二歳である。

4) 「握力」

男子は小学生年代と高校生年代、女子は高校生年代が上回っている。

男子の十一歳・十六歳・十七歳と女子の十五歳・十七歳が継続して上昇。

男子の十三歳・十四歳と女子の十二歳・十三歳が継続して下降した。

全国平均より上回ったのは、男子は小学生年代・高校生年代であり、女子は高校生年代である。

5)「踏み台昇降」

男子は十歳を除いてすべて上回り、女子は十二歳と高校生年代が上回った、

男子の十七歳と女子の十二歳・十五歳・十七歳が継続して上昇している。

全国平均より下回ったのは、男子・女子ともに十歳のみでそれ以外はすべて上回っている。

6)「伏臥上体そらし」

男子の高校生年代と女子の十六歳・十七歳が上回っている。

男子の高校生年代と女子の十六歳は継続して上昇。男子の十二歳と女子の十二歳から十四歳の中学生年代が継続して下降している。

全国平均より下回ったのは、女子の十四歳・十六歳・十七歳でそれ以外はすべて上回っている。

7)「立位体前屈」

男子・女子ともに十六歳・十七歳が上回っている。非常に悪い状態にあるのは男子・女子ともに十歳から十四歳である。

男子の十歳・十一歳・十三歳・十四歳と女子の十三歳・十四歳が継続して下降している。(要注意)

全国平均より下回ったのは、男子の十歳・十二歳と女子の十五歳である。それ以外はすべて上回っている。 (全国的に平均値が低い傾向にある。)

(2) 運動能カテスト  (図5)

1)「五十メートル走」

男子は十六歳、女子は十三歳と高校生年代が上回りそれ以外はあまり変化はない。

全国平均より上回った年齢はない。

2)「走り幅とび」

男子は十歳と高校生年代、女子は高

 

(図4)体力診断テスト

 

 

 

 


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