教育福島0016号(1976年(S51)11月)-010page
校生年代が上回っている。
男子の十二歳は継続して下降している。
全国平均より上回った年齢はない。
3)「ボール投げ」
男子・女子ともに十七歳が上回っている。
男子の十七歳が継続して上昇。女子の十三歳が継続して下降している。
全国平均より上回ったのは、男子の十歳から十二歳と十四歳・十七歳、女子は十歳から十七歳まで全年齢が上回っている。
4) 「懸垂」
男子は十一歳と高校生年代、女子は十一歳から十七歳までが上回っている。
男子の十五歳・十七歳と女子の十六歳が継続して上昇している。
全国平均より上回ったのは、男子の十歳・十一歳・十七歳と女子の十歳・十一歳である。
5) 「持久走」
女子の十五歳が下回った以外はすべて上回っている。
男子の十二歳・十三歳・十六歳と女子の十三歳・十六歳が継続して上昇。女子の十五歳が継続して下降している。
全国平均より上回ったのは、男子の十二歳・十三歳と女子の十二歳から十五歳である。
6)「ジグザグドリブル」
男子・女子ともに上回っている。
男子の十歳・十一歳が継続して上昇。
全国平均より上回ったのは、男子の方であり、女子は下回っている。
7)「連続さか上がり」
女子の十歳が上回ったがそれ以外は下回っている。全国平均より大きく下回っている。
(3) 総括
1)体力診断
年齢別にみると男子・女子ともに十二歳から十四歳の中学生年代に悪い結果が多く認められる。また、男子・女子ともに筋力系と柔軟性に低下が目立っている。
性別では、女子の方に低下が目立っている。
全国と比較すると男子・女子とも「垂直とび」「背筋力」の差が目立っている。
2) 運動能力
年齢別にみると、十五歳から十七歳の高校生年代に上昇の結果が認められる。
性別では、男子・女子ともに「持久走」「ジグザグドリブル」それに女子の「懸垂」がよい結果を示している。
全国と比較すると、女子のボール投げが完全に上回っているが「五十メートル走」「走り幅とび」は男子・女子ともに完全に下回っている。
県内の児童生徒は運動能力においては全国との差が大きいようである。
3) まとめ
柔軟性を示す「伏臥上体そらし」「立位体前屈」が低下している原因として考えられる問題点は、体操のおこない方があまりにも形式的に流れすぎ、体操本来の目的である、極限まで各関節各部位を動かすことを実施していない結果にあると思われる。準備運動が体操であるという考え方は反省する時点にあると考える。
運動能力の向上には、生理学的要素を加えながら身体活動を実施させなければならない。
児童生徒における体力の意義や価値は、発育途上にあって身心が相和して一生で最も自在な適応を可能にする時期にある。この時期に身体活動の機会があまりにも拘束され、彼らの能力の発芽が摘まれすぎてはいないだろうか反省する必要があると思われる。
児童生徒に対して体力的に最も優れた適応をさせるために、身体活動の機会を毎日作ってやり、適切なアドバイスをおこなうことが、彼らの身体的適応の可能性を最大限に引き出すことになり、体格と体力のバランスを維持できる源になると思われる。
3、児童生徒の疾病異常
(1) 学校種別にみた主な疾病異常
本県の幼児児童及び生徒の疾病異常のうち、被患率の最も高いものは、う歯で各学校種別とも、九〇%以上の被患率を示している。
う歯についで被患率の高いものは、幼稚園ではへんとう肥大、近視である。
小学校では近視、その他の歯疾口腔の疾病異常。中学校では、近視、へんとう肥大。高等学校では、近視、遠視乱視、その他の歯疾口腔の疾病異常等となっている。 (図6)
(2) う歯
う歯の被患率は前年に引き続き各学
(図5)運動能カテスト