教育福島0016号(1976年(S51)11月)-022page
また、小学校で高率を占める教室や体育遊戯施設での災害は中学校、高等学校へ進むに従って低下し、屋内運動場での災害が上昇する。(図17)
なお、小学校の災害発生の場所としての体育遊戯施設にはどのようなものがあるかをみると、図18のようになっている。
(4) 負傷の種類と負傷発生の部位
災害の九八%以上を占める負傷について、学校種別ごとの負傷の種類をみると、図19のとおりである。幼稚園で挫傷に三一・三%の集中がみられるほか、あまり目立った特徴は見られないが、小学校以上の学校において、骨折の占める割合が小学校二三・七%、中学校、高等学校がともに二四・四%となっていることは注目すべきことといってよいであろう。
すなわち、骨格は、身体を構成するもっとも強い組織であるにもかかわらず、学校の管理下における事故によって、骨折にいたるものが二三%以上もあるということは、見過ごし得ないところである。骨折がなぜ多いか、その原因については、栄養上の問題、身体の鍛練不足その他いろいろと推測されているが、まだ科学的なデータを裏づけとした原因はは握されていない。専門的な立場からの原因追究と対策の樹立が望まれるところである。
また、負傷の発生した身体の部位の状況は表37のとおりである。小・中学校と高等学校においては、負傷の五四%から七三%が上肢あるいは下肢の、いわゆる四肢に発生しているのに対し
(図17)災害はどんな場所で起こっているか (昭和50年度福島県)
(図18)災害はどんな体育遊戯施設で起きているか (小学校)
(昭和50年度福島県)
(図19)どんな負傷が多いか (昭和50年度福島県)