教育福島0016号(1976年(S51)11月)-033page
三、学級指導者の研修
郡山市教育委員会では、家庭教育学級の円滑な運営のため、次の研修を実施している。
(1) 家庭教育学級主事研修(全市)年一回、学級開設前に全学級主事が参加して、学級のありかた・運営についてオリエンテーションを行う。
市全体として学級の共通理解をもっためである。
(2) 同主事研修(地区)
具体的な学級のすすめかたについては、地区十六公民館を中心に、学級主事・委員長が随時あつまり、研究協議を行っている。地区でまとまって学級の合同学習をもつ場合も多い。
(3) 成人教育指導者研修
今年度より、少年自然の家において家庭教育学級など、各学級・団体リーダーの宿泊研修を行った。家庭教育学級リーダーの参加が、もっと多くなればかなりの成果が期待できる。
このほか、今年度は六月八日に郡山市公会堂で福島県家庭教育研究集会が開かれ、数多くの学級生が参加して成果があった。
四、これからの家庭教育学級の方向
(1) 学級の増加と多様化
いままでの小学校開設学級の多くは児童の父兄を学級生としていたが、最近乳幼児学級の重要性がさけばれており、郡山市でも早く開設を図りたい。
また進学問題を中心として中学生の父兄を対象とした学級の必要性もある。
こうした子供の年齢に応じた学級のたての広がりを設定することがのぞましい。
(2) 自主的で多様な学習の確立
ともすれば画一的で具体性にとぼしい家庭教育学級の、マンネリ化を打破したい。
1)社会の変動に対応できる学級
自ら考え、問題を出しあい、本来の家庭教育の目標や基準を自分たちで考え、つくり出すこと。
2)地域にねざした家庭教育学級
画一的な学級でなく、地域のなかで子供たちになにをしてやったらよいか具体的な内容を考える。
(3) 学習方法・運営の改善
今までの講義学習を自主学習に少しずつあらため、多様な学習活動を期待する。
(4) 学習者の拡大を図る
父親参加の方策をうちたてること。
新婚夫婦の参加はもとより、婚前青年男女へとその拡大を図り、各種学級との合同学習もすすめる。
また、幼児同伴の学級生のため、遊具の準備・保母の確保など学習しやすい方法を考える。
(5) 修了生の活動
学級修了生の事後の活動をさかんにするため、修了生が定期的に集合し学習の再確認をしたり、現学級生との合同学習会を開催するなど、継続学習が可能になるよう考慮したい。
(6) PTAでの成人教育活動との関連はどうあればよいか。
会員の自主的活動を主としたPTAの研修と、国庫補助学級である家庭教育学級とは、その活動をはっきり区別する必要がある。
しかし、将来自主学級に切りかえた場合は、PTAを母体とした学級運営も考えられよう。
郡山市の社会教育活動のなかで、家庭教育学級の占める割合は大きい。
学校との連けい協力をつよめながら今後の学級の発展を期したいものである。
開成家庭教育学級の料理実習と講義風景
表3 今後の学級の増加計画
成人家庭教育学級の講義風景景