教育福島0016号(1976年(S51)11月)-040page
図書館コーナー
地方史研究基本文献の紹介
本格的な週休二日制の時代にはいると、余暇をどのように過ごすかということが大きな課題となろう。レジャーオンリーでは金が続かないし、寝ているだけではあまり能がなさすぎる。そういった時に、郷土のことに関心を持ち、いろいろ調べるのも非常に有意義であろうし、退職後の生きがいともなろう。
郷土の歴史は、一般に郷土史と呼ばれていたが、戦後、地方史と呼ばれ、急速な研究の発展をとげた。そのかげには、多数の無名の地方史研究家の長年にわたってのこつこつと研究した成果もあろう。
さて、今回ははじめて地方史をひもといてみようとする人に、当館所蔵の地方史関係の図書のうち 入門書・手引き書・講座・辞典等に重点をおいて紹介してみたい。
1)地方史研究必携 地方史研究協議会
岩波書店 昭和二十七年(210.07-c)
・地方史の研究者、あるいは郷土史研究者が現地調査に携行して利用しうるように懇切に編集したハンドブック。
2)近世地方史研究入門 地方誌研究協議会 岩波書店 昭和三十年(210.07-c-2)
・近世地方史研究の実習的入門書・史料の蒐集・整理・利用法・書籍解題物価表・年表等を収めている。
3)地方史の研究と編集 有坂隆道・藤
本篤ミネルプァ書房 昭和四十三年(210.07-A)
初歩的な読者を対象に、第一部において地方史誌の編集の問題を説いている。付録が全国地方史誌目録となつている。
4)地方史研究の現状 113巻 日本
歴史学会 吉川弘文館 昭和四十四年(210.07-N4-2)
・各府県別ごとに現在までの研究史の概要と、史料集・年表・研究団体の紹介。雑誌「日本歴史」に地方史研究の現状報告を行う目的で掲載したもの。
5)増訂新版地方史研究の方法木村礎・
林英夫 八木書店 昭和四十五年(210.07-k5)
・これから地方史の研究を志す若い人々、あるいは地方にあってこつこつと研究を続けている数多くの人々への手引き書として編まれたもの。地方史研究についてさしあたり必要なことを書いてある。
6)郷土史研究講座 117巻 古島敏雄他 朝倉書店 昭和四十五年(210.07-k4)
・地方史研究推進を目ざした研究方法と具体例の集成。索引をつけている。
7)地方史マニュアル (1)−(10) 柏書房
昭和四十九年
(1)地方史の思想と視点 (2)文献資料調査の実務 (3)文献資料整理の実務(4)郷土資料の活用 (5)(6)文化財保護の実務上・下 (7)民俗資料調査整理の実務 (8)民具資料調査整理の実務(9)考古資料調査整理の実務(10)市町村史刊行の実務
・現在刊行中の最新のシリーズ。地方史の研究を志す人に最も参考になる。
8)地方史文献総合目録 上(戦前編)・下(戦後編)索引 阿津坂林太郎 厳南堂書店 昭和四十五年5五十年(210.03-A3)
・昭和四十五年三月現在、巻末の所蔵図書館一覧に示す三百二機関に所蔵する明治元年から昭和十九年までに刊行もしくは手稿・手写された地方史を収録している。・
9)郷土史辞典 大塚史学会 朝倉書店
昭和三十年(210.03-K8)
・江戸時代の社会経済史関係用語を中心に・民俗・考古・芸能・一般文化関係用語も含めて千二百九十項目を小項目制で五十音順に配列解説したもの。
10)新版郷土史辞典 大塚史学会 朝倉書店 昭和四十四年(210.03-O7)
・旧版の重点は近世史関係にあったが本版は近代地方史の分野の拡充が行われている。
11)総合地方史大年表 岡山泰四他 人物往来社昭和四十二年(210.03-06)
旧国別に原始時代より明治の廃藩置県まで収める。巻末に総索引がある。
美しいふるさとの自然(二本松市安達ヶ原)