教育福島0016号(1976年(S51)11月)-046page
わが校のほこり
郡山市立
月形小学校
標高五百十四メートルの猪苗代湖東岸に広がる田園。一本の県道に添った四つの部落から、百五名の児童が登校してくる。この三月末新校舎の一部ができ移転した。構成は学級数六・教員数九・市職員数四で、磐梯おろしの風雪が五か月間の生産不能をよぶ純農村で、へき地一級地である。
昭和四十八・四十九年県教委より「へき地教育研究校」の指定を受けたのを契機に、「表現力の育成」について研究を続け、本年は五年計画の四年次である。
研究は、言語表現に限定し、国語の読解力を窓口にして、表現場面を国語・他教科・特活・日常生活へと広がりを求めてきた。現在は、物語文の読解を深め、読みとったことや、考えたことをわかるように伝える表現力をつけ、日常生活への一般化の移行を考えている。
成果は小さいけれども、それなりに結実しつつある。へき地にみられる家族的教師関係を利しての組織的研究はともに学び育つ苦しみと喜びをもたらし、成果の共有化が図られてきた。また、全校生で話し合いする児童集会ふるさとの伝統を受け継ぐ早乙女踊りや唐人だこづくり、親子でのスキー大会、市部の学校との交歓会なども、地域性を生かしての表現力の助長に寄与するところが大きい。
日々の教育活動の中で生まれた童師同行・相互同行の心と体のきずなは、第五年次を志向して情操陶やへの発展の道を開いてくれるであろうと信じている。
新装なった校舎全景
「表現力の育成」を目ざした授業風景
市部の学校との交歓会(早乙女踊り)
磐梯を背にスキー大会