教育福島0017号(1976年(S51)12月)-014page

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会委員、岩崎敏夫、梅宮茂、田中正能各委員に委託して実施する。

五、実施状況一覧

(注記)

数字は五十一年十一月十日現在のもの。

第一次報告件数の欄は、A=江戸期以前一年号年代判明)、B=江戸期以前(年号だけ判明)、C=明治期(該当可)を示す。

なお、選定件数は担当が推定したもので、以後専門的判断による変更があり得る。

 

表4 文化財基礎調査実施状況一覧表

表4 文化財基礎調査実施状況一覧表

 

民俗音楽収集事業

 

民間に広く流布している民謡やわらべ歌、それに民俗芸能などに伴った歌や鷹子などの民俗音楽は、われわれの祖先が残してくれたかけがえのない文化遺産というだけでなく、将来の新しい日本の伝統音楽を創造する素材として、極めて重要であることはいうまでもない。しかし、これらの民俗音楽はもともと楽譜など存在するはずもなく信仰を基底として親から子へと代々伝承されてきたものだけに、昨今の社会情勢の激しい変容によって急速に失われつつあり、その調査収集が緊急を要することは単に研究者だけでなく、各方面の識者から指摘されていた。ところが、その事業には多くの経費と時間を要するために、組織的な調査研究はほとんど行われなかった。福島県合唱連盟は猶予ならないこの事態を認識し昭和四十六年より各方面の援助を得てその調査に着手し、本年度をもって六年間にわたった調査を終了することになった。ここに今年までの経過を述べてみたい。

本連盟はまず昭和四十六年夏に、独自の予算で民謡とわらべ歌の所在調査にのりだした。調査用紙を県内約二千名の会員に数枚ずつ配布し、伝承者の住所氏名と歌詞などを記入してもらった。その結果、六十市町村にわたって千四百四十五枚を回収することができた。問題はその録音に要する経費のねん出にあったが、翌四十七年七月篤志家の寄付があり、更に九月の県の補正予算で百万円の収録が計上され、本連盟が委託を受けた。その結果本連盟内に「福島県合唱連盟民俗音楽調査委員会」を設置して調査収集に当たることになった。この調査に当たっては、本連盟会員不在の市町村もあるところがら、該当の市町村教育委員会の手をわずらわし、所在の補足調査も行った。その結果更に二百四十八曲が確認され、先の本連盟の調査と合わせて千七百九十三曲となった。録音収集は伝承者の年齢からみて急を要するもの、また類歌の少ないものなど二百曲を選択し、委員が分担して行い、更にその半数の百曲を採譜した。この中には過去の文献にはまったく見られなかったものも数曲あり、大きな成果をあげることができた。

この民謡とわらべ歌の調査収録は、県内はもとより県外からも大きな反響を呼び、更に民俗芸能に伴う歌や鷹子も調査してほしいとの声が盛りあがった。それに力づけられて、本連盟は三年計画

 

 

 


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