教育福島0017号(1976年(S51)12月)-038page
福島県教育センターから
生徒の学習実態のは握
ランゲージ・ラボラトリー(LL)
一、ランゲージ・ラボラトリー
LLとは、前もって準備された録音教材を、生徒が、個々に、または集団で聞いたり、繰り返したりできる電気機械設備のある部屋のことです。
このLLがねらいとするところは、ことばの習得が、まず「聞く、話す力」の上になりたつという考え方から、機械力の導入により訓練の質、量の向上を図ろうとするものです。
文部省では、昭和五十一年度から、はじめて「中学校機器利用英語教育研究指定校」を全国四十七都道府県(各県一校)に設置し、LL利用を中心とした学習指導法の研究を深めることになりました。
このように、ランゲージ・ラボラトリー(LL)教育は、歴史が浅いため設置や指導についての考え方も種々あります。英語教育においては、LL万能ではないけれども、LLの効果は、広く認められているところです。LLについて批判的な人々には、全然LLを知らない人や、英語を教えているがLLを実際に操作したことのない人々が多いようです。
LL研修
二、LL学習の効果
LL学習の効果の一端は、設置校での「興味・関心の程度に関するアンケート」の結果(図1)からもわかりますが、一般に次のようなことがいわれています。
1、精神の集中
ヘッドフォンをかけて外部雑音の入らない状態で学習に集中できること。
2、学習への自信
個人ごとの仕切り(ブース)によって生徒は、恥ずかしさを感じないで聞いたり、繰り返したりできること。
3、学習の個別化
教材を各自が録音して、能力に応じて何回でも聞いて練習できること。また生徒は先生と一対一で個別に質問できること。
三、LL研修講座
この研修では、中学校や高等学校でのLL利用についての研究を深め、さらにLL設置校閲における情報交換をとおして、県全体のLL指導の水準を高めることを目的として行っています。
この講座は、昨年度まで、高等学校教育課主催でしたが、本年度から教育センターの研修講座に組み込まれ、更に来年度は、年間二回実施する予定です。
1、英語の授業とLL
英語の授業では、説明や練習する前に正しい英語を聞かせて、生徒の耳にどんな音が残っているかを確認することからはじまるのです。基礎力の養成という中学、高校の低学年の段階では、聞いてわかることと、読んでわかることは、ほとんど一致するものと考えられています。
聞いてわからないが文字を見ればわかるという英語教育に対する批判に謙虚に耳を傾けて指導法を改善しなければなりません。
LL設備のない学校では、テープレコーダーを、毎時間活用しています。また、先生の数だけテープレコーダ
図1 LL授業がたのしい理由