教育福島0018号(1977年(S52)01月)-012page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
研究学校紹介
一人一人が主体的に学習に取り組む態度を育てる授業の研究
川俣町立川俣小学校(昭和五十・五十一年度 福島県教育委員会指定)
一、研究の内容と方法
(一) 研究の内容
1) 国語科における(特に読みを中心とした)主体的学習態度の形成をめざす授業の研究に取り組む。
2) 授業実践をとおして指導内容の精選重点化を図り、読みの領域のカリキュラムの改善を行う。
(二) 研究の進め方
1) 基本的な考え方を確立する。
ア、主体的学習態度
児童一人一人が学習に対してめあてを持ち、自分で思考操作し責任をもって積極的に立ちむかう態度
イ、主体的な読み
自分の経験をもとに自分の立場から文章を読み、ときほぐし、その過程で疑問をもったり感動したり、又は判断しながら、自分なりの結論や方向を見出し、相手の読みのすぐれたところをとり入れて自分を高めようとする読み
ウ、教育課程改善の必要性
● 課題を解決していく学習方法を重点に研究を進めていくと、「問題を意識し課題を発見し課題を設定するという、課題つかみの段階」で、いままで以上に時間がかかることが予想される。
● このため、時数調整の上からも学習内容そのものからも、教材の系列化を考え、より基本的な教材を中核とする新たな指導計画が必要になってくる。
2) 具体的なテーマを設定し、実践研究をとおしてその成果を明らかにする。
ア、課題に気づき解決していく方法の徹底
● 課題に気づかせる方法
● 課題を解決していく方法
を明らかにし
● 朝の学習訓練
をとおして徹底する。
イ、指導事項の重点を洗い出すための教材研究手順の明確化
(研究のあゆみP8参照)
ウ、基本的指導過程の確立
● 単元全体の基本過程
● 一単位時間の基本過程
● 課題解決学習の系列化
二、成果と反省
「だれもができ、だれがやってもある程度の子供の変容が期待できる、バランスのとれた指導過程」が確立され、一定水準の「読み」の指導が継続的に展開されたことをまず喜びたい。
国語科学習の基礎・基盤ともいうべき読字力・書字力も「会話は会話らしく、説明は説明らしく、間をとってはっきり」という音読重視の指導効果が出て、かなり向上してきているのも喜ぶべきことである。
本校によって定型化された貴重な資料は、今後、国語科の研究を志す学校に多くの暗示を与えてくれる。なかでも、1)単元全体の基本的指導過程2)問題解決学習の系列3)「国語学習の手びき」は有益であろう。
また、「教材研究による指導内容の精選と指導の重点化」と題する「指導計画の改善資料」も、じっくりと味わうべき内容をもっている。二年間の実践によって、いままでよりも指導時数をふやすべきもの二単元、減ずべきもの六単元という数で、細かな指導計画が添えられている。教育課程の自校化とはまさにこういう真剣な継続的な営みなのである。
(県北教育事務所指導課長樽井和雄)
![]()
ひとり読みの段階が重視される
課題解決学習の系列化
![]()
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |