教育福島0018号(1977年(S52)01月)-013page
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一人一人に学習を成立させるために指導内容・方法の質的改善をどのようにしたらよいか
−−国語科・算数科−−
いわき市立平第二小学校
(昭和五十・五十一年度 福島県教育委員会指)
一、研究の内容と方法
児童の実態をみると、学習事項が定着しない、学年が進むにつれて学力差が目立つ、学習態度が主体的でないなどのことが指摘される。これらの原因としては、教材の量が多いこと、どの教材についても平板的・ら列的な取り扱いとしていること、学習の個別化がじゅうぶんでないことなどがあげられる。
このようなことから、教材を精選し内容的にも時間的にもゆとりをもち、精選された教材を中心に、児童一人一人の能力や適性に応じた指導をすれば生き生きした学習、わかる学習が展開できると考え、本主題を設定した。
また研究教科は、国語・算数とした。更に研究領域を、国語科では「読むこと」算数科では「数と計算」にしぼり、教材精選と指導法の組織化を中核に研究を進めてきた。
(一) 研究の概要
1) 教材精選の基本的方針
ア、学習指導要領に示された内容については取捨選択を含む精選はしない。
イ、原則として教科書を中心とし、補助教材も含めて、必要によりその取り扱いに軽重をつけたり、付加、軽減等をして精選を図る。
ウ、精選は教材そのものの選択と、教材内容の重点化の二面を考える。
エ、当面、単元内で精選・重点化に応じた時間配当をくふうする。
2) 教材精選の観点
ア、学習指導要領の目標や内容から逸脱しない教材
イ、既習教材や教材の前後関係で重複しない教材
ウ、指導内容一事項一と対応し容易に重点づけのできる教材
エ、学年の系統から重点づけのできる教材
オ、その他教科の特質に応じた観点から精選のできる教材
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個に学習を成立させる指導のくふう
3) 児童一人一人の学習の成立と能力・態度の育成に適切な指導過程をくふうする。
4) 児童の能力・適性に応じた学習が成立するように個別化のくふうをする。
5) 教材の取り扱いの軽重に応じ、教具、教育機器等の利用をくふうし、指導の効率を図るとともに学習の個別化に活用する。
6) 教材精選及び個別化をより確かなものにするため、たしかめの機能のくふうと強化を図る。
(二) 実践例(算数科)
〈教材精選〉
○教科書教材の指導段階
〈指導法の組織化の一例〉
二、成果と反省
1) 教材の取り扱いの軽重、重点教材の位置づけ、時間配当等をくふうした単元指導計画が作成された。
2) 重要な内容や基礎的なものには能力差を考慮したり、時間を多くかけることができたので、生き生きした学習わかる学習が展開されるようになった。
3) 教材精選の範囲を広げ、より多くのゆとりを確保する必要がある。
4) 学習成立条件の追求、能力・態度の育成場面の設定及び評価、個別化のくふうなど更に深めることが求められる。
(いわき教育事務所指導主事高橋真次)
表1 教材の取り扱いと重点教材
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(◎重点的に取り扱う ○いっせいに扱う △能力に応じて扱う ×削除)
図1 指導段階の組みかえ
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図2 単元指導過程
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