教育福島0018号(1977年(S52)01月)-015page
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自主性を育てる望ましい集団活動
−−実践力を伸ばす学級会活動−−
西郷村立小田倉小学校
(昭和五十・五十一年度 福島県教育委員会指定)
一、研究の内容と方法
児童の学習のようすをみてみると、自分や学級集団の課題を自主的にとらえることがふじゅうぶんで、しかも、実践的な態度に欠けることや、個人や集団の欲求実現の手だてや方法が身についていないことがうかがわれる。
その解決の場を、児童にとって最も身近な学習の場である学級会活動に求め、自発的、自治的実践態度を育てるため本主題を設定した。
(一) 研究の重点
児童自らが、自分、あるいは学級集団の問題を受けとめ、その問題解決へ積極的に参加するためには、それを解決する活動の場の保証、活動のための条件の整備が大事であると考え、
1) どのような活動の場があるのか
2) どのような活動の条件があるのか
3) その指導の手立てや方法はなにかなど授業実践をとおして検証してきた。
(二) 研究の内容
研究の内容を構造的に示したものが図1である。
1) 問題意識を深める事前活動
学級会活動が有効かつ効率的に進められるためには、図2のように話し合い以前の事前活動をきめ細かにし、それぞれの活動が有機的に関連し合い、問題が処理されるよう配慮しておくことが大事である。
2) 議題をたいせつにする
ア、問題を議題化することは、学級会成立の最も重要な要素である。
何のための活動か、「みんなが共有する」、「相互の結びつき」を大事にする中で議題を選ぶようにする。図3
イ、次に議題選定の条件が重要である。切実な興味関心、実現を強く望むもの、実現の可能性などが条件となる。
3) 実践力を育てる集会並びに係活動の場の設定
問題意識を深め、解決への意欲を高めるには話し合い活動だけでは期待できない。実践することによって培われるものと考える。
4) 助言指導(援助活動)の基本姿勢
自主性を尊重して、教師は、側面から助言する指導姿勢が必要である。
・低学年……みちびき、気づかせる
・中学年……よりそい、理解させる
・高学年……みまもり、深化させる
以上四点から、自主性を育てる研究内容を述べたが、要は、学級づくりにあり、研究実践を積み上げたいと思う。
二、成果と反省
1) 学級会での話し合い活動や集会活動が自主的に運営され、生き生きした活動が展開されている。
○ 話し合いのしかたが身につき一人一人の参加態度が向上している。
○ 事前指導や指導助言のしかたに研究の深まりが見られ、自発的自治的活動の促進に効果をあげている。
○ 話し合い活動と集会活動との関連的な指導によって実践意欲を高めている。
2) 特別活動の指導について理解が深まり指導計画の改善が進んでいる。他領域や特別活動内容相互の関連をいっそう深めて特色ある教育活動を展開するよう創意と努力が期待される。
(県南教育事務所指導主事瀬谷 宏)
図1 研究内容の構造
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図2 事前活動の流れ
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図3 問題を議題化する場
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問題の解決にみんなの目が輝く
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