教育福島0018号(1977年(S52)01月)-025page
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この表でみると、年間を通して実施可能なフィールドワークのひん度が最も高い。夏には、キャンピング、野外炊飯、登山、キャンプファイヤーなどまたプールのない学校からは水泳が喜ばれている。雪の少ない浜通りの学校はすすんで冬期の利用を希望し、そりすべり、雪遊びなどを実施している。オリエンテーリングも、子供の能力、体力に合わせて展開されている。夜は仲間づくりのためのレク活動やゲーム、ダンス、キャンドルファイヤーなどはほとんどの団体が経験している。子供たちの夢と自主性を育てる自由活動や、あとから来る友達のために、奉仕活動の一環として遊具製作などに汗を流す団体も多い。
つぎに、主な研修内容のいくつかについて紹介してみたい。
1.フィールドワーク
山野に設定されたいくつかの関所(関門)を通るための問題を解きながらコースをめぐる。決められたコースは一本のみで共通のサインで示されており、そのサインをみつけることと問題を解く時に、仲間との協力、助け合いが必要になる。グループの協力のしかた、観察力、注意力、判断、リーダーの適切な処置力指導力を身につけさせる競技である。
2.キャンピングと野外炊飯活動
野営場のロッジ七棟(百四十人収容)と、三十張りのテントが張れるテントサイトを利用して行われる。基礎的なテント設営技術を身につけることができる。
自然の中に起居し、自分たちで食事を作り、役割や分担の仕事をとおして、責任、協同のたいせつさに気づかせ、家庭への感謝の気持ちや、積極的に協力する意欲をたかめるのに適している。
3.登山
五月〜十月にかけて海抜八百七十六メートルの御霊櫃峠への登山ができる。
堀口浄水場から山頂まで七キロ、住復十四キロのコースで、小学校低学年でも登れる。頂上からは安積平野と猪苗代湖との高低差がよくわかり、磐梯山の景観は、しばし疲れを忘れさせてくれる。
自然環境と植物の適応、人間とのかかわりあいなどの学習にも役立ち、友達同志の励ましあい助けあい、困難に負けず同じ目標に向かい協同の心を養うことができる。往復路それぞれ休憩を入れて六時間のコースであり、各団体の足の強さに合わせて調整もできる。
4.キャンプ(キャンドルファイヤー)
静寂の中に、赤々と燃える営火(キャンドル)を囲み、広大な自然のふところにいだかれて清純な心を養い、友との親睦をふかめ、社会性を培うことのできるファイヤーは宿泊研修のプログラムのなかで最高の盛りあがりをみせるものであり、約九十パーセントの団体が実施している。
5.オリエンテーリング
地図と磁石を用いて、山野の中に設けられたいくつかのポストを発見、通過し、できるだけ短時間にゴールする。読図力、判断力、決断力、体力も養ええる。少年自然の家では主に「スコアオリエンテーリング」を行っている。敷地内に二十のポストを設置してあるが、子供たちの体力や能力により増減できる。低学年や、親子対象の磁石を使わない絵地図使用のオリエンテーリングも喜ばれている。
6.その他の研修活動
そりすべり、冒険ハイク、体力づくりコースめぐり、野外ゲームなどのほか、野外観察、ハイキングなどもできるが、団体の利用目的や子供の実態から、研修内容をどうとらえ、どう分析し、どう計画の中に組み入れていくかは、あくまで研修団体側の自主性にまかせたいところである。
四、おわりに
今後、利用団体の増加と多様化にともなって、研修内容のいっそうの多様化も予測される。
五十二年度は、フィールドアスレチックコースの新設、体力づくりコースの増設なども企画している。また、従来の研修内容をより充実するために再検討し、利用者の多様な要求にこたえられるようにしていきたい。
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協力してテント設営
木製ジャングルジムでなわばしごを渡る。
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