教育福島0019号(1977年(S52)02月)-010page

(六)　学習に必要な資料を計画的に収集し、教育機器の特性を生かして、効果的な活用に努める。

　

四、学習の評価を適切に行い、基礎的知識、技能の定着を図る。

　

(一)　基礎的知識、技能については、練習の時間を設けるなどして、定着を図るようにする。

(二)　指導の過程での評価や、単元のまとめを適切に行い、知識とともに能力も評価できるようくふうする。

　

中学校

　

生徒が、社会生活を正しく理解するために必要な資料を収集活用し、社会事象相互の関連や意味を的確には握していく能力や態度を育成するため、三分野間の構造をふまえ、内容の重点を明確にした指導計画の改善に努め、学習指導がいっそう充実するよう、次の事項について努力することが望まれる。

　

< p>一、三分野間の関連をおさえた指導計画の充実と改善に努める。

　

(一)　各分野の目標・内容を的確には握し、地域や生徒の実態から見て、指導の重点の置き方をくふうした指導計画を作成する。

(二)　身近な地域をはじめ、地域に見られる地理的、歴史的事象の教材化に努め、生徒が興味と関心を持って学習を進めることができるようにする。

(三)　パイ型学習の長所である生徒の能力・技能を継続的に伸ばしていくために各分野相互の学習成果を活用し有機的関連を図り、発展の筋道を明確にした指導計画の作成に努める。

(四)　小学校との関連をじゅうぶんに考え社会科でねらう能力・態度が小・中一　貫の立場で育成されるようにする。

　

二、各分野における教材研究を深め授業の充実に努める。

　

(一)　各分野における基本的事項や、育成しなければならない思考力、資料活用能力を的確には握して指導を進める。

(二)　地理的分野においては、地域の特性や他地域との相互関連がよくは握されるよう教材を精選して指導を進め

(三)　歴史的分野では、時代の特色や時代の推移がよくは握されるよう教材を精選して指導を進める。

(四)　公民的分野では、社会集団と人間とのかかわりあいがよくは握されるよう教材を精選して指導を進める

(五)教材の持つしくみを的確にとらえて、社会事象の持つ意味や本質をおさえ、教えること、考えさせることを明確にして指導を進める。

　

三、生徒の自主的な学習を重視し、問題解決の学習が効果的に行われるようにする。

　

(一)　講義中心に偏る授業を改め、生徒自らが意欲的に問題を解決していく過程を明確に押さえて指導に当たる。

(二)　生徒の自主的、自発的な学習態度の育成を図るため、学習形態をくふうしたり、観察や調査、地図、年表統計資料活用などの作業を取り入れた学習を進める。

(三)　生徒が問題意識を持ち、見通しの上に立った学習を進めるため、問題解決の手順・方法・資料活用のしかたなどを指導の段階や具体教材に即して身につくよう指導する。

　

四、学習の評価を適切に行い基礎的知識・技能の定着を図る。

　

(一)　各分野における基本的事項や基礎的知識・技能が確かに身につくよう指導過程での評価や、単元のまとめの方法をくふうするとともに、重要事項については、練習の時間を設けるなどして、指導の徹底を図るようにする。

(二)　知識とともに、資料活用能力、思考力なども評価できるようにする。

(三)　生徒が、学習の成果を正しく評価し、意欲的に取り組むことができるような指導を進める。

　

高等学校

　

人間尊重の立場を基本として、社会における人間のあり方についての思索と、社会と人間に関する基本的問題についての理解をいっそう深め、広い視野から社会生活の意義を考える能力や国家・社会の一員としての自覚をもちその発展に寄与する態度などの基礎を培う。このため、次のことについてじゅうぶん考慮する。

　

一、指導計画の改善に努める。

　

(一)　社会科五科目の目標と内容を的確には握し、科目間の関連を図るとともに、地域の実情・学校の実態・生徒の希望等を考慮しながら、弾力性のある指導計画の作成に努める。

(二)　中学校との関連にじゅうぶん留意し、社会生活の諸問題に正しく対処しようとする能力・態度・習慣の育成についても、中・高の一貫性が保たれるような指導計画の作成に努める。

(三)　進度に応じて指導計画を確認し、その再構成を含めて、計画と実施の一体化を図るように努める。

　

二、指導内容の精選・重点化を図る。

　

(一)　教材研究を充実し、基礎的・基本的内容を重視する観点から指導内容の重点化による教材精選を図り、その改善に努める。

(二)　教科書などに掲載されている写真・図版・統計・史料・絵図など諸資料の適切な活用についてくふうする。