教育福島0019号(1977年(S52)02月)-011page

三、学習指導法の研究に努める。

　

(一)　進学率の著しい上昇により、能力・適性・進路等のいっそう多様化した生徒に対して、みずから学ぶ意欲と能力を高める学習指導のあり方をじゆうぶんに研究し、実践するように努める。

(二)　精選された資料や教育機器などの活用により学習内容に対する興味や意欲を喚起し、多様な指導法のもとに思考・討議・まとめの場などを設定して、生徒の主体性を生かした学習態度の育成に努める。

(三)　指導事項を精選し、生徒一人一人の基礎的.基本的な知識や能力を高め、それが、次の問題解決の学習に生かされるようじゅうぶん配慮する。

　

四、学習評価の改善を図る。

　

(一)　指導目標を分析し、その到達度を確認して、適切な指導ができるように配慮する。

(二)　学習の過程では、生徒の学習活動を常に観察してその変容を確かめ、適切な指導助言を行うようにくふうする。

(三)　知識・理解の評価のみに偏らず、日常生活における社会事象への関心の度合いや考察の態度の評価にもじゆうぶん留意する。

　

五、厳正中正な社会科授業の実践に努める。

　

教科の特性にかんがみ、政治及び宗教に関する学習事項の取り扱いについては、それぞれ、教育基本法第八条及び第九条の規定に基づいて適切に行うように努める。

　

算数・数学

　

小学校

　

児童の発達段階に応じて、数学の基礎的な知識、技能をじゅうぶんに身につけさせ、「数学的な考え方」の育成が図られるよう、次の点について努力する。

　

一、算数の指導体系や各領域の関連をじゃうぶん考慮し、ゆとりのある指導計画に改善する。

　

(一)　児童の能力の実態を的確にとらえ児童が学習しやすいよう計画の改善に努める。

(二)　算数の指導体系や各領域のねらい内容を的確には握し、取り扱いの程度、軽重、内容の相互関連をよく考え、時間に余裕を持たせた計画に改善する。

(三)　数量や図形に関する基礎的な知識の習得と基礎的な技能の習熟に重点を置いて計画を改善する。

　

二、個々の内容のねらいや取り扱いの程度を明確にとらえ、指導内容の統合及び重点化を図り、教材を精選して指導効果をあげる。

　

(一)　算数の目標、学年の目標、単元の目標を明確に押さえ、指導内容を重点化するとともに、指導内容がどう発展していくものなのかを的確には握しそれに合わせて教材を配列する。

(二)　低学年では、具体的な生活経験の中から、数・量・図形の概念を抽象し、基礎的な理解や経験を得させ、しだいに数学的な見方が身につくように指導する。

(三)　中学年では、数範囲の拡大とあいまって、法則や原理的なものへの関心を高めたりして、物事を筋道を立てて考えたりするように指導する。

(四)　高学年では、これまでに学習したことを基にして、観点を高めてまとめたり、実際の場に能率よく活用したりすることができるように指導する。

(五)　どの学年、どの領域においても集合の見方、考え方を重視して指導する。

(六)　関数的な考え方は、数量・図形の指導の中で、二つの集合の依存関係に着目したり、集合の要素を順序よく変えて、対応のしかたを調べたりするような指導をくふうする。

　

三、基礎的な知識・技能、特に計算力を高め、　「数学的な考え方」を伸ばす指導をいっそう充実する。

　

(一)　基礎知識の理解や基礎計算については、じゅうぶんに練習させ、定着を図るように指導する。

(二)　既有の経験や知識を新しく学習しようとするものに適用、発展させて考えることができるようにする。

(三)　数学的な用語や記号を正しく用いて、事がらを簡潔にまとめたり、抽象化や一般化したりすることができるようにする。

(四)　既習のいくつかの事柄を、別の観点から見直したり、統合的に考えたりすることができるようにする。

　

四、児童がわかりやすい学習指導への改善を図り、学習意欲を高める。

　

(一)　児童自身が発見的、創造的に学び取ることができる学習のしかたを指導する。

(二)　個人思考と集団思考の関係を配慮し、児童みずからが問題解決の喜びを味わうことができる学習指導をくふうする。

(三)　児童の能力の段階に応じた学習目