教育福島0020号(1977年(S52)04月)-025page

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同、だれでも発言の権利があるというふうに御理解いただいて、よろしくお願いします。まず古関先生いかがですか。

 

意見を述べる出席者

 

意見を述べる出席者

 

古関

子供たちが家庭で親と話し合いができるふんい気をぜひつくって行きたいと思います。親と子がなかなか話せない。親の方もいそがしさにかまけて、子供と話す時間が少ない。ある調査によると、親子がしゃべったのは三分二十秒。しかもその中味は、調べてみると大部分がこごとであったという調査がありますが、こごとではなしに、学校で起こったこと、友達のことの話を聞いてやる。そういう場をつくると同時に、そういう話し合いができるふんい気を持った親・家庭というものを第一にお願いしたいと思います。第二番目には、親は子供の生活をつかんでほしい。案外その子供がスケート場に行って何をしているか、むこうには監視の人もいるだろうし、学校では親がつきそって行かなければ許しませんなどというと、そんなきついことを言わないでほしいという。ところが子供はスケートやってる時よりも、帰りの方が友人関係などで問題になる。買い食いをしたり、金が足りなくなって借りたりします。あるいはサイクリングに行った子供に聞きますと、どこまで行ったのか親は知らないが、実は福島から自転車で飯野の先まで行っている。それが先生の家に遊びに立ち寄ったためにわかった。そういうように、子供の実態は親はなかなかつかめないでいる。これは一例にすぎない。それから第三番目には、子供のしつけについてはもっと自信をもってもらいたい。今まであまやかしとか、やってはならないことはならないと徹底しようという意見が出ましたが、親は親なりに、しつけについてこれだけは自分の家ではしっかりやるんだ、まあ「最善を尽くせ」でもいいし、何かそういう家庭で家風とまでいかなくても、やはり自信を持ってしつけることが必要です。またいろんな最近の調査によると、見なれないものを持っていると「それはどこから持ってきたか。」「友達から借りた。」盗んできているにもかかわらず、親がまんまとだまされてしまう。そしてまた強くいうと反抗することを恐れてついついあまやかしてしまう。こういう例が非常に多いように思う。こういうことが調査などにも出ています。第四番目には、学校と家庭の積極的な連絡について、これは学校側でも努力しなければなりませんが、親さんの方からもぜひお願いしたい。学校でもいろいろ機会を設定しますが、出席してほしい家庭は出て来ない。こういう例が実に多いわけで、何か家庭に起こったらすぐに学校に連絡をする。学校の計画に応じて出て、学校の教育方針と家庭とが一体となって指導できるようにしていきたいものと思います。

司会

家庭に何を望むか、ほかに御発言のかたいらっしゃいませんか。遠藤先生いかがですか。先生がたの方から家庭にどうあってほしいとお考えですか。

遠藤

今古関先生からもお話があって尽きたという感じでありますが、ただその中で、やっぱり親さんがたは私どもにいろんなことを隠しますね。夕ベ家に集まって酒を飲んだ、たばこを吸ったといっても、こちらで事実を押さえてでも聞かないと言ってくれない。そういう点で学校をもう少し信頼してほしいということですね。藤井先生もおられまして中・高との連絡のパイプはよく通じているわけでございますが、いちいちごく日常の細かい点までは知らせるわけでもないですよ。それで親さんは学校を信頼して知らせてほしいと思うわけです。

司会

それでは出ました意見をトピック的にくり返してみますと、家庭で親とじゅうぶん話し合いのできるふんい気を作ってほしい、ことだけでなくということです。それから子供の生活をつかんでほしい。自分の子供の生活を知らないでいる親さんが多いのではないか。

それから第三番目、自信をもった家風づくりとでも申しましょうか、そうしたものが大事ではないか、ぜひ家庭でもお願いをしたい。第四番目、学校と家庭の緊密な連絡、当然のことではございますが御指摘がありました。第五番目、学校を信頼して緊密な連絡をとってほしいということが、御発言の中から拾い出されたものでございます。これですべてというわけではございませんが、復習の意味で申し上げました。それでは第三点、地域社会即ち我々は何をなすべきか、これも先ほど同様皆さんに発言権がございますので、我々は何をなすべきかに移ります。県警の小野課長さんいかがでしょうか。

小野

家庭と学校の問題について一言申し上げたいと思います。少年非行というのは、ある日突然出てくるというものではなく何か前兆があるわけです。これは今度の須賀川の少年の場合も、前に異常な行動が二、三あったということであります。それは学校の先生によ

 

 

 


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