教育福島0020号(1977年(S52)04月)-026page
って察知されておったわけでありますが、結果的にはこうなった。事件があってなるほど前にこういうような事案があったんだということが二、三指摘されております。その内容も普通の正常な子供ではやらないような内容のものである。家庭でも同じで古関先生からありましたように、家出を突然するということではなくて、前に何か異性から電話が来るとか、手紙が来るとかあるいは万引き少年でありますと、親の買ってやらない品物を持っているとか友人から借りたとかやはり前兆を早く察知して対策を立てることがたいせつです。もう一つさきほどらいお話にありました学校でも親でも、何でも相談できる先生とか親であってほしいなあと思うのであります。例えば隣にいる宮本さんがヤングテレホンを担当していますが、相談の内容をみてみますと、何でこんなことを言ってこなくちゃならないんだ、こんなことは親の立場で解消できるんじゃないか、あるいは学校の教師の考えでおさまる内容ではないかということがありまして、何でも相談できる親であり教師であってほしいと思うわけであります。次に地域社会の問題でありますが、我々の方では事故防止のことで愛の一声運動をとなえているわけでありますが、例えば危険な場所で氷すべりをしている子については、他人の子だからかまうことはないというものではなく、自分の子供同様に愛の一言をかけてやって事故防止を図る。非行防止も同じだと思います。やはり地域社会の人々が自分の子供と思ってめんどうをみてやることが大事であると思います。それからもう一つは、少年を取り巻く有害環境の問題についてお話しましたけれども、警察だけが表面にたって自動販売機がどうだと言うよりも、むしろ地域社会のかたがたの盛り上がりでそれらのものを排除するということが大事だと思います。
司会
ありがとうございました。他人の子供も自分の子供と同様に、それから環境の浄化を積極的にやるべきだ。大人の心構えとして大事だということです。ほかに我々大人は何をなすべきか。福地さんどうぞ。
福地
子供たちをとらえる場合に、学校教育の場だけでなくて、やはり地域の中でも児童の対応策に積極的に取り組んで行くべきではないか。つまり親子の接触の場を地域ぐるみで考えていく。具体的には親子ソフトボール大会をやるとか、運動会をやるとか、そういう地域での親と子の総ぐるみの接触の場を積極的に考えていかねばならないのではないか。そういう中から地域の連帯感とか、あるいは大人と子供の触れ合いというものが生まれてくるんではなかろうかと考えます。
司会
梅津さん、いかがですか。
梅津
それに関しては、子供会とか育成会の輪を広げていくことが、地域社会にとって一番たいせつなことではないでしょうか。そのためには小グループ・部落で何人でもいいからというところから大人が子供たちといっしょにという気持ちが必要なんじゃないかと思います。
司会
小グループで親と子の接触をということですね。次に伊勢さんどうぞ。
伊勢
子供会の中には野球部・ソフト部などみんなあるわけです。ところで子供の日をみんなの提唱でもった。子供との対話をほんとうにやっていただきたい父兄に、やっていただけたかどうかを見ると、これにほんとうに対応できない人がいる。そういった場合、我々は何をなすべきか。先ほどいいましたように、それなりの相談機関があるんです。それをもっと積極的に活用してほしいということです。相談機関もまた積極的にPRもしなくちゃならないと思うんです。学校に望みたいという一番の問題にも関係しますが、事前に通学路等学警連なんかと連携をとっておられたようですが、児童相談機関と相談してたかどうか、学校は遠慮なさっている。要するに積極的に出て来ない家庭こそ問題なので次善の策を講じてやることが必要です。
司会
関係機関それぞれあるのを、じゅうぶんに活用してほしいという御指摘です。そのほか「我々は何をすべきか」はい、加賀さん。
加賀
これには健全育成という面と、早期発見だと思います。非行児を扱ってみますと、発見が早ければ早いほど回復も早いと思います。特に非行はエスカレートします。小学生の話などいろいろ聞きますと、こういうことをやっても見つからなかったんだという言葉をよく聞きます。そういうことで前期症状がありますし、そういうことを大人たちが気を付けながら早期発見してほしいと思います。それから、遊び型の非行が多くなりますと、テレビの影響とかいろんな雑誌の影響とか、模倣しちゃうんですね。どうしてそうしたのというと、テレビでやったというんですね。このへんですと大人と話し合いが必要なんですね。それから非行をした子供たちで、万引きや窃盗をやった子が、自分はあまり欲しくなかったんだが入ってみたら一万円札がいっぱいあったのでガサッと取ったら百万円だったとかいう結果も多く出てくるので、大人はもっと身辺を整理してほしいと思います。物をたいせつにすることと、大人側がお家でお金を不用意なところに置かないことです。あの子供たちと会ってよく感じます。それから盗んだ金で物を買う時に、お店の人が注意しないという現象がある。例えば、小学校五年生ぐらいの子供が三万五千円の自転車