教育福島0020号(1977年(S52)04月)-036page
研究実践の紹介
生徒の書写力を高める指導
梁川町立梁川中学校国語部
一、研究の経過
本校では、昭和四十九年度、福島県書写書道教育研究協議会から指定を受け、梁川小学校、梁川高等学校とともに研究に取り組んだ。
しかし、中学校の場合、一応の成果をあげるためには、少なくとも三年間の継続は必要と考え、五十年度からは町教委の指定を受け、研究を進めてきた。
年度ごとの研究主題は
・四十九年度「一人一人を伸ばす書写指導のあり方」--楽しい書写学習の訓練はどのようにすればよいか---
・五十年度「生徒の書写力を高めるための書写指導のあり方」--国語教師のだれもがやりやすい授業とするために--
・五十一年度「自主的な学習態度を育てる指導法の研究」であったが、これらの目標を達成するために
(1) 日常の指導に役立つ年間指導計画の作成
(2) 一時間ごとの指導案(時案)の作成
(3) 用具・用材準備計画の作成
を三本の柱として研究を進めてきた。
二、指導計画について
(1) 年間指導計画
四十九年度に作成したものについて反省を加え、五十、五十一年度と、それぞれ改訂して内容の充実を図った。特に、「要素」「基準」をどのようにおさえるかが検討の中心となった。(三十五、十八、十四時間の学年配当とし三年生には名跡鑑賞も入れた。)
第3学年書写指導年間計画
(2) 時案
指導に当たっては、十段階指導法(準備・目標は握、試書、基準の明示、練習、批正、清書、まとめ、次時の予告、整理)を中心とし、すべての時間についてカード式の授業案を作成した。四十九、五十年度の授業実践をもとに五十一年度において完成した。
国語科書写(毛筆)指導案1年 No.15 9月
学習課程 学習活動・内容 時間 指導上の留意点
〔1準備〕 1
2.目標のは握 2.本時の目標を知る。 5 ・行書を学習するわけを話し、基礎的な書き方を理解させる。
○行書の特徴
○行書の基本的な筆づかい
3.試書 3.ためし書きをする。 5 ・「光」一字を行書で書かせ、どこが楷書と違うか見つけ出させる。
○手本を見ないで「光」を書く。
4.基準の明示 4.基本を正しくつかむ。 ・「光」について、行書と楷書それぞれの範書を指示し比べさせることによって、二つの違いをはっきりつかませる。
○行書の特徴
・まるみ、点画の連続
○筆づかい
・まるみ(第1画と第4画)
・左はらいの方向を変える。(第5画)
(3) 用具・用材準備計画
それぞれの題材別に、用具・用材の調達購入方法をあらかじめきめておきスムーズに授業にはいれるように計画している。