教育福島0021号(1977年(S52)06月)-011page

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く、二つの数量に関連のある事がらをとらえさせること。

例一 たし算(増加の意味)〈小一年〉

たし算では、「合併」「増加」の場面をとおして、たし算の意味の指導をすることになっているが、これは「増加」の場面である。変化しない数は被加数の3であって、変化する数は加数に当たり、それにともなって和がどう変わっていくかに着目させることがたいせつである。例図は、加数に当たる図を別に作り、動的に加えて、増加の意味を理解させようとしたものである。

 

(二) 二つの数量がどのように対応しているかをしらべること

 

(二) 二つの数量がどのように対応しているかをしらべること

ともなって変わる二つの数量についての関係を調べる考え方は、二つの数量の間の法則をみつけたり、公式をつくりだすことなどで欠かすことができないものである。この考え方は、小学校高学年から中学校へかけては、二つの数量の関係を表に表したり、グラフに書いたりしてその性質や特徴を調べるようになるが、その基本になっているのは、何かをもとにして、たし算・ひき算・かけ算・わり算の関係になってはいないかという、その特徴のとらえ方にある。

例二 円(円周と直径の関係)〈小三年〉

この教材は、最も測定しにくい円周を、最も測定し易い直径をもとにして測定しようという、関数の考え方の最もよく表れている典型的なものである。

そこで指導上たいせつなことは、同一円をつかって、全児童に、円周を直接思考錯誤で測定させて、どうにもうまくいかないという「つまづき」の場面に立たせてから、よりよい解決として、関数的な考えをとり入れ、直接測定できない円周から、直接測定できる円柱の周におきかえて実際に測定させ、円周と直径の関係としての商が、一定になることをみつけさせるようにする。結果として、直径を知って円周を求める公式をつくらせることであり、その公式をつかって、直接測定できない、電柱の直径や樹の大体の直径を測定することに発展させることが重要である。

 

二、既有の経験や知識を、新しく学習しようとするものに適用、発展させて考えることができるようにすること

算数・数学の学習内容は系統的に配列されているから、以前の学習は現在の学習へ、現在の学習は今後の学習へと発展していく。そして、絶えず、新しい内容に出会う。このとき、既有の経験や知識を生かし、適用・発展させて考えないと問題を解決することができない。そのため、それぞれの時点で学習内容が、その発展の系列の上でじゅうぶんに意味がつかまれるように、また、児童生徒がその必要を感じて創造するような方法で、理解させることが極めて重要なことである。

 

(一) それぞれの時点で学習内容のじゅうぶんな定着を図ること

単元計画には、終末の段階にまとめて二〜三時間の練習が計画されており一時間ごとの指導には、全く練習の段階をとっていない授業が多い。しかしながら、一時間、一時間における学習の完全なる定着を図ることを考えたときに、一時間の指導過程では、その時間の学習のねらいの確認や評価とともに練習も必要である。特に一つの課題解決がなされた後の定着を図るための練習はぜひ計画したいものである。

学習内容の定着を図るための練習のしかたは、その学習内容や時間によって異なる。

すなわち

○ 教師の発問によって、児童生徒が回答、または筆答する。

○ 児童生徒が二人一組になって一人が出題し、他の一人が答える。

○ 教師作成の練習問題によって児童生徒がいっせいに行う。

○ 磁気シート録音機等の教育機器をつかう。

などの練習の方法が考えられる。

次の例は、練習問題の解答の提示のしかたをくふうしたもので、生徒が一つ一つの問題をフィードバックしなが

 

 

 


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