教育福島0021号(1977年(S52)06月)-015page
適切な評価をし、その結果を指導に生かすためには、評価すべき内容を理解して評価の観点を定めることがたいせつである。
(一) 評価の観点
評価の観点には、学習指導要領の目標及び指導内容に対して、評価自体が適切かという質的な面と、どの程度まで達成したかという量的な面とが含まれている。
例えば、「旋律のまとまった感じを感じとる」ねらいに対して、「それを正しく感じることができるかどうかを確かめるための目のつけどころ」が適切かという面と、「感じとることができる深さはどの程度か」という到達度の面が同時に観点としておさえられなければならない。
また、音楽科での評価の観点は、いろいろな内容が含まれ、しかも、相互に関連が深い。例えば「リズム打ちができるか」を取り上げた場合、それは態度でもあり、感覚、技能、理解でもある。各学年の指導内容は、学年の目標に照らして、態度、音楽的感覚、技能、理解の上でまとめられているので評価の観点も、その立場で整理しておくのがよい。そして、その中でどの観点に重点をおくかは、学習指導の目標によって定めるようにする。
(二) 評価の方法
(1) 何を評価するのか
各題材について目標を具体化し何を学習するのかが、児童生徒に明確に理解されたとき、児童生徒にとっても生きた評価となる。
(2) いつ評価するか
評価は指導の一過程であるという本質をより生かすためにも、常時行われることがたいせつである。
学期末の評定のためのテストが評価のすべてでないことをじゅうぶん考慮しなければならない。一般的には題材ごとに、予備・中間・終末の三つに分けて考えることができる。
(3)評価の方法
評価の方法を選択する条件には
ア、評価しようとする目的に対して妥当であること。
イ、評価の結果が信頼できること。
ウ、実際的で具体的であること。
(三) 教師作成のテストをくふうすること
すでに述べたとおり、目標を具体化し、児童生徒の実態に照らして学習段階を設定し、学習を進める場合最も多く用いられるのは、教師の作成したテストである。また、児童生徒の行動も有力な評価の対象であり観察、指導の積み重ねがたいせつである。
評価はできるだけ多面的に、一人一人の特質をじゅうぶんは握して、効果的な学習指導を進めていきたい。
高等学校
国 語
国語科における学習指導法のくふう
国語の教室をのぞくと、教材の叙述に従って第一段を読む。次に、むずかしいことばを摘出する。それを辞書であたってみる。それが終わったら、口語訳をして、次の段落にうつる。ふたたび前と同じ作業をくり返す--。といった場面によく会うが、それでよいのだろうか。
生徒にとって、より広がりのある授業、より深まりのある授業、生徒が自ら進んで学習する授業をつくることは