教育福島0021号(1977年(S52)06月)-018page
んなことがわかったか。
Q2「まだ生まれてはじめてであった」というのは、「はじめてであった」だけでも意味は同じようだが、どう違うのだろうか。
Q3明子はいまどんな気持ちだろうか。
Q(8文を読ませて)8文からどんなことを感じたか。
Q1「馬車の中でも」というと、あとはどこでか。
Q2「うわのそら」の気持ちになるときというのはどんな時か。明子はいまどんな気持ちでいるのか。
Q3父親が「おりおり話しかけ」たのはどんな心づかいからか。
Q(9文を読ませて)9文を読んでどう思ったか。
Q1「愉快なる不安」という「愉快なる」はどうして生まれるのか。
「不安」はなぜ生まれたのか。
Q2作者は、明子の心の中もわかる書き方をしている。すると3〜5文はだれが見、だれが感じたのか。
〈まとめ〉
ここまでの中で考えたこと、感じたことをもとに想像力を働かせてゆっくり黙読しなさい。(次時の予告)
以上、二つの実践例をあげたが、授業の実際に活用する場合には、次の点の配慮が必要である。
比較学習の場合、教材の選び方、授業展開のしかた、生徒の個人差の生かしかた、ノート指導、評価等、なお残された問題は多く、特に、教材精選の立場からみて、セット化しなかった他の教材との指導のかねあいを明確にしておく必要があろう。
しかし、この試みが、生徒の学習しやすい場の提供としても有効なものであろう。
次に、イメージ化の学習の場合、底の浅いイメージ化で学習が進められると個性的なおもしろみはあっても、その恣(し)意性は読みの誤解を生み、底の浅い読みに終わりかねない。それを避けるためには、ことば、文をだいじにしながら集団学習を活用するなどによってイメージの是非深浅を洵太(とうた)し、昇華させることがだいじであるし、また、イメージ化は概念化の方向の読みに支えられて、ますます鮮明さをましていくし、概念化の読みも、生き生きとしたイメージに裏づけられて定着していくはずである。その意味で、イメージ化と概念化を有効に関連づけることがだいじである。その結果、作品に対する感動や理解を深めることが期待される。
数学
「写像」の指導について
はじめに
二十世紀の初め、数学教育改造論を提唱した一人であるクラインは「関数概念を中心として、そのまわりに数学のあらゆる教材が、束縛されず自由に集中されるときは、これまでにはなかった計画性に富む総合が可能であろう。」といっている。
現在の数学教育の内容とあわせて考えるとき、何か関数教材の歴史的方向づけを示唆したことばと思えてならない。
「関数を写像としてとらえることができるようにする。」という立場で指導を初めてからすでに五年目、写像という目をとおして見ることのよさも広く定着してきているように思われる。
しかし、それなりに従来とは異なる指導上の問題が出てきていることも事実である。
そして各校それぞれの生徒の実態に対応する指導のあり方も多種多様であり、教科書における扱いも一様ではない。
このような現状をいっそう明確にして関数指導の実践的な資料を得ることは極めて重要なことと考え、高教研数学部会県北支部の協力を得て、県北地区のアンケートをまとめ、福島高等学校の上川洋行先生をわずらわしてその集計について解説をしていただいた。
これを以下に紹介して参考に供することにする。
一、アンケートの結果から見た指導の実態は
「数学1)における関数教材についての調査」というテーマで、アンケートをおこなった。
この質問事項九項目の中から三項目を取り上げ説明することにする。
○調査日 昭和五十二年四月下旬
〇対 象 県北地区十八校の数学担当の先生がた
○回答者数 七十七
全日制七十三(普通五十三、工業十三、商業四、農業二、生活一)
定時制三(普通二、農業一)
通信制一(普通一)
○調査事項とその結果
「1」 関数教材の中で「写像」をどこで扱うかが議論になります。
(1)「写像」は簡単な関数と結びつけて教えたほうがよいですか。
(イ)よい (八六%)
(ロ)いいえ (四%)
(ハ)どちらでもよい (九%)
(2)〔(1)(イ)と答えた人に〕「写像」と「簡単な関数」と、どちらを先に指導したほうがよいですか。
(イ)写像を先に (六一%)
(ロ)簡単な関数を先に(二九%)
(3)(省略)
「2」写像と関数のそれぞれの定義の対象については、いろいろの議論が