教育福島0021号(1977年(S52)06月)-033page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

され、体力づくり器具も導入し活用に供している。

四、事業内容は楽しめるものに

従来、大会中心の社会体育事業も、住民の自主的活動、とりわけ町体育協会の活動が、活発にかつ広範囲になるにつれ、"楽しめる""だれにも参加できる""各層に応じたプログラムをつくる"ものに変わってきた。

今年で八回目を迎える町民体育祭は年一回、町民が一堂に会しての、「お祭り」として定着した。

集団構成で競い合うゲームもさることながら、応援合戦や世話役の奔走ぶりは、人と人のふれ合いそのものである。アトラクションには仮装盆踊りや町に保存される「笠踊り」などもひろうされる。十月十日、体育の日を記念して実施するが、農繁期の休養の一日として待たれる日となっているようだ。

 

親子バトミントン大会

 

親子バトミントン大会

 

老人が自らの手で企画・運営する老人運動会も第二会大会となる。

輪なげ、玉入れ、ボール運びなど、簡単なプログラムばかりだが、「われら老人、まだ健在なり」とその意気ごみが評価されている。

今年度からは、老若男女を問わず楽しめるスポーツ民踊、青少年向けのサイクリングなども新しい事業として取り入れてみた。

五、地区スポーツ推進員の活動

町がスポーツの生活化を提唱し、参加者も一部の愛好者から各階層に及ぶにいたり、世話役、リーダーとなる人が必要になってきた。

そこで町は、各行政区(二十一区)からこの役割りに適した人選を得て、地区スポーツ推進員として委嘱、協力をお願いしている。各種の地区対抗競技や、町民体育祭にはチームの編成や応援にいたるまで、活動の範囲は広いが報酬等はない。

ある地区では、推進員を中心に部門ごとに補助役としてのリーダーを選び一人の負担に依存しない協力態勢を組むまですすんでいる。

自主的活動も活発で、お母さんと青年の交換試合、地区ごとの親善大会など数多く開催されている。

今後はこうした組織の強化、後継者育成を図るとともに、行政的な配慮も考えていかなければならない。

 

子供キャンプ大会のひとこま

 

子供キャンプ大会のひとこま

 

六、学校施設の効果的活用を

社会体育施設の数少ない当町では、学校施設が活動の場としての役割りを担っている。

学校施設は、申請により支障のない限り解放しているが、夜間無人になっているところから、管理上の問題が取りざたされることもままあり、また設備等の不足についても大きな課題として対処していかなければならない。

七、まとめ

当面している課題を一、二点あげて結びとする。

まず、設備・施設については、既設設備に加えて総合町民グランドの建設が計画されているが、この早期実現と野外活動施設の設置が望まれる。

現在、公民館に移管されている施設の管理運営面でも、体育主事、管理指導者等を配し、適切な指導助言と健全なスポーツ活動意識の助言を図らなければならない。町の財政がひっぱくしている現在、どうしても急場しのぎに走らざるを得ない傾向になりがちであるが、長期計画のもとに充実していきたい。

もう一点は、活動に起因する事故の補償問題である。金園町村会住民スポーツ災害賠償補償保険の加入、スポーツ安全協会傷害保険加入を促進して対処しているが、まだまだ万全ではなく町が抱える負担も大きい。

特に町が企画する行事に関する自主的な練習時に発生する事故については責任の所在が明確でなく、盛り上がっているスポーツへの関心に水をさす結果にもなりかねない。

″だれもが参加できる、楽しめる″スポーツに到達するまでの過程には、さまざまな問題点があることを再確認しなければならないようである。

これら問題を抱えながら活発化するスポーツ活動が、個人個人を高め、かつ地域のコミュニティづくりに影響し定着する日を期待してやまない。

このためには、常に実態をは握しながら施策を講じ、町民の意にそえる振興をすすめていきたいものである。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。