教育福島0021号(1977年(S52)06月)-043page

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高校教員招へい計画による、シンガポール教育視察団一行十名が、六月五日から十二日まで来福しました。一行は去る五月三十一日東京で日本の教育事情についてオリエンテーションをうけた後、都内の公共施設や学校、工場などを視察して本県を訪れたものです。

本県における一行の主な視察日程は次のとおりです。

六月六日 福島県知事表敬訪問と福島県の教育についてオリエンテーション。県教育センター、県立図書館視察。

六月七日 磐梯スカイライン経由五色沼見学、国立磐梯青年の家、野口記念館視察。後東山温泉へ。

六月八日 会津武家屋敷、鶴ケ城、県立会津工業高校、塗器会館視察の後、猪苗代経由磐梯熱海温泉へ。

六月九日 郡山第二中学校(同学校給食)、県立安積高校、郡山市体育施設を視察の後、東北高速自動車道経由で福島市へ。県教育庁主催歓迎懇談会に出席。

六月十日 福島市蓬莱幼稚園、同小学校(同学校給食)、福島県庁訪問、県教育委員室で教員と懇談。

六月十一日 福島県文化センター、福島県総合美術展見学、福島大学教育学部視察、家庭訪問。

 

教育センター LL教室での視察団

 

教育センター LL教室での視察団

 

現在、シンガポールの教育制度は、小学校六年、初級中学校四年、高級中学校二年、大学三年(栄誉学位は四年)で、小学校教育は義務ではないが無償で就学率は九九パーセントです。教育用語はマレイ語、英語、中国語、タミール語の四か国語で、初等、中等教育では二言語以上の習得が義務づけられています。

技術教育課程及び成人教育に力が注がれています。

なお、来県したシンガポールチームのかたがたは次のとおりです。

文部省人事局次長、アーマド・イブラヒム中等学校長、アレキサンドラ・ヒル小学校長、コン・チョン学校長、バートレー中等学校教師、チェスナット・ドライブ中等学校教師、ホテル・ケータリング訓練校管理部長、試験担当官、地区部長、イウ・チュノ・カン中等学校教師。

 

福島県総合体育大会について

 

本年で第三十二回を迎える国民体育大会は、国、地方自治体及び関係諸団体の支援のもとに、年々隆盛の一途をたどり、国民の体力向上に大きく寄与していることは衆知のとおりです。これまでの国体は、競技団体の登録者に限って参加を認めてきましたが、「国民各層による国民スポーツの祭典である」という開催趣旨からすると、登録者に限っている現在の参加資格については問題があるとされています。これに対して日本体育協会は、国体委員会を中心に検討をすすめてきた結果、昭和五十五年の第三十五回国体から未登録者の参加を認めるという基本方針をうち出しました。

このような国体オープン化の画期的な動向をふまえながら、本県としても県総合体育大会の持ち方について、種々検討を加えた結果、本年の第三十回大会から、新しい形で実施することになりました。

この大会の特徴は、国体に直接つながる国体予選会を中心に、スポーツ少年団体育大会を正式に組み入れ、更に従来実施してきた家庭バレーボール、壮年ソフトボールに普及的な種目一〜三種目を新たに加え、県民スポーツ大会として位置づけ、県総合体育大会をこれら三本の柱で実施することにしました。これは、少年層から壮年層まで幅広い参加を求めた、文字どおり県総合体育大会としてふさわしい内容にしたことです。

県民スポーツ大会は、地域の人々に数多くスポーツ活動の機会を与える手だてとして、すでに定着している家庭バレーボールのような親しみやすい種目を、県独自の方法で実施していこうとするもので、各種日ごとに市町村から代表一チームずつ参加して七教育事務所単位に開催することになります。

チーム編成は、原則として小学校区単位とし、市町村大会をより盛大に行い、それを勝ち抜いてきたチームをもって市町村代表とするものです。

参加資格については、県体育協会加盟競技団体に登録しているもの、及び学生生徒の参加を認めないこととし、それによって日常スポーツ活動に親しむことの少ない人々に、より多く参加の機会を与えることをねらいとしています。

第三十回県総合体育大会は、国体予選会、スポーツ少年団体育大会を、いわき市を中心に、五市、三町、一村で七月二十一日から二十四日まで実施されます。また、県民スポーツ大会は県内七地区に分け、八月上旬から九月上旬にかけて実施される予定です。参加予定人数は、一万三千名を越す文字どおりの県民スポーツの祭典となります。

 

 

 


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