教育福島0022号(1977年(S52)07月)-006page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]()
○ 体力つくりの基礎理論
○ 児童・生徒の体力の現状
○ 学校生活と体力つくりの推進
○ 社会体育のめざす体力つくり
体力つくりの基礎理論
一、体力の概念
人間が無生物と違うことは、物理的に空間の一部を占めているばかりでなく、外界に対して積極的に働きかけていることである。いうまでもなく、人間は生物の中で最も高等な動物であるため、外界への働きかけは、それに相当した身体的基盤が必要なのである。したがって、身体的基盤を無視すれば人間は健康を維持して行くのもむずかしくなる。このような身体的な基盤を一般的に体力とよんでいる。つまり、「体力は人間の活動の基盤となる身体的能力である」。といえる。
体力の概念を具体的にあらわそうとすると、必ずしも容易ではないが、筋肉が発達している人を体力が優れている人と考える人もいる。徹夜をして勉強しても平気な人を体力があると考える人もいるが、筋肉の発達している人が必ずしも徹夜をして平気であるとは限らないのである。人間の活動が複雑であるので、それぞれの活動に必要な体力は必ずしも同一ではないが、一般的にいうと、生がいを太く短く生きることも、細く長く生きることも好ましくなく、その日その日が充実して活発に行動し、しかも有能な人間であって病気にかからず長生きできるような人が理想的な人間である。このような理
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |