教育福島0022号(1977年(S52)07月)-017page

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◇ 推進校における成果と反省

〈成果〉

・ 運動・スポーツへの参加態度が、意欲的・積極的になりつつある。

・ 日常生活が、規則正しくなりつつある。

・ 全校体育実施の結果、基礎体力や精神力が高まりつつある。

・ 施設・用具等の使用について、くふうがみられるようになった。

・ 体力つくりの指導計画が整い、研究推進の基礎ができた。

・ 体力つくりの必要性について全教師・児童生徒・父兄に認識されつつある。

・ 朝の欠食児童生徒がなくなる傾向にある。

〈反省〉

地域・学校等の実態調査及び、児童生徒の体格・運動能力のは握はできたが、それらの資料を、実践研究に生かしきれなかった。

また、体力つくりの中核となる教科体育の充実、全教育活動をとおしての体力つくりに努めたが、その結果どのように変容したかまでを、具体的・客観的にとらえ得なかったことは、残念である。

本年度は、計画、研究体制づくりを重点に研究推進をしてきたが、体力つくりについての、教職員の認識の高まりと、第二年次の実践研究に必要な資料を得ることができたことは、今後の明るい材料となった。

 

四、今後の課題

 

(1) 総則体育の反省

総則体育は、学校教育における、健康の保持増進と体力向上の重要性を強調したものである。そのためには、体育のみならず、保健、給食の指導や、クラブ活動、学校行事等の指導においても、この趣旨を実現するように配慮しなければならないことを示したものである。

これが、各学校で具体的に計画・実践化されなければ、学習指導要領のまえがきにすぎなくなってしまう。つぎに、本県の小・中・高校における実施状況(昭和五十一年九月末現在)と、それらに対する、今後の問題点について触れてみよう。

この調査結果からみると、何らかの形で実施している学校が多いが、さらにその充実を願うとすれば、児童生徒の体力つくりについて、校長を中心に全教職員が、その重要性について、いっそう認識を高め、実践を継続することが必要である。そのための体育主任の役割はきわめて大きいといえよう。

◇ 実施にあたって

○ 総則体育を実施するために、児童生徒の自由遊びの時間を制約しないように配慮すること。

○ 指導内容に変化をもたせ、あきさせないように配慮すること。

 

表5 総則「体育」の指導計画と実施状況

全体計画作成状況
内容小学校中学枝
はいいいえはいいいえ
1.体力つくりを配慮した教育課程の編成がされている(97%)557校(3%)20校(94%)246校(6%)15校
2.総則「体育」の全体計画が作成されているか(79%)455校(21%)122校(74%)192校(26%)69校
3.計画作成にあたり、体育保健、給食の機能を統合した校内の基本問題や、その具体策を検討したか(66%)380校(34%)197校(60%)156校(40%)105校
4.計画作成にあたり、学校の実情に即するよう、基礎資料を収集し検討したか(69%)397校(31%)180校(71%)186校(29%)75校
5.全教師が計画作成に参加しその過程で共通理解を得るように努めたか(71%)407校(29%)170校(57%)149校(43%)112校

 

(公立小・中学校) (51.9.30現在)

実施状況
内容小学校中学校
はいいいえはいいいえ
1.総則「体育」の実施について、父兄や地域社会との連携を密にしているか(57%)327校(43%)250校(37%)97校(63%)104校
2.学年、学級経営の中に、体育に関する指導を位置づけ、指導、管理の充実を図っているか(87%)504校(13%)73校(76%)198校(24%)63校
3.特別活動を重視し、各種活動の中で健康の増進にかかる内容を重点化し、積極的に取り組んでいるか(88%)505校(12%)72校(93%)242校(7%)19校
4.子供が自主的に参加する業間体育等の実施に努めているか(91%)524校(9%)53校(49%)127校(51%)134校
5.体育の生活化をめざす中で、保健・安全の指導・管理の徹底を図っているか(94%)540校(6%)37校(92%)240校(8%)21校

 

(県立高等学校)

内容はいいいえ
全体計画作成状況1.体力つくりを配慮した教育課程が、編成されているか(84%)56校(16%)11校
2.総則「体育」の全体計画が作成されているか(82%)55校(18%)12校
3.計画作成にあたり、体育、保健、安全の機能を統合した校内の基本問題や、その具体策を検討したか(89%)59校(11%)7校
4.計画作成にあたり、学校の実情に即するよう、基礎資料を収集し、活用したか(79%)53校(21%)14校
5.全教師が計画作成に参加し、その過程で共通理解を得るように努めたか(72%)48校(28%)19校
実施状況1.総則「体育」の実施について、父兄との連携を密にしているか(15%)10校(85%)57校
2.学年・学級経営の中に、体育に関する指導を位置づけ、指導管理の充実を図っているか(72%)50校(28%)19校
3.各教科以外の教育活動を重視し、各種活動の中で、健康増進にかかる内容を重点化し、積極的に取り組んでるか(75%)50校(25%)17校
4.生徒が自主的に参加する業間体育等の実施に努めているか(25%)17校(75%)50校
5.体育の生活化をめざす中で、保健・安全の指導・管理の徹底を図っているか(88%)59校(12%)8校

 

 

 


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