教育福島0022号(1977年(S52)07月)-039page

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二、講座のようす

 

植田小学校会場では、A領域の「動物の体のつくりに関する教材」で、キンギョを用いて、えさのとりかたや泳ぐようすなどOHPに投影し、外部形態など魚としての特徴を観察したり、さらに、顕微鏡の取り扱いや基本的な検鏡のしかたについて実習し、検鏡の際に便利な簡易指示板を作製しました。

B領域の「電気に関する教材」では豆電球のつけかたや豆電球のつなぎかた及び乾電池のつなぎかたなど、各学年における指導のポイントを、実験をとおして研修がなされました。また「電流の磁気作用に関する教材」では、その指導内容と実験方法についてきめ細かな検討がなされ、さらに、電磁石を製作して、いろいろな実験が行われました。

C領域の「天体に関する教材」では天体の運動について、星座観測板や星座TP用シートを製作して、その使用法について実習したあと、夜になって一定の時間ごとに北極星の動きと北斗七星の動きを記録してもらいました。

また「岩石に関する教材」では、花こう岩の造岩鉱物の特徴を利用して、簡単に分類する方法を実験し、さらに主なたい積岩と火成岩の特徴を調べ、それらを見分ける方法を実習しました。また、砂岩と花こう岩の組織を提示する偏光板を利用したTP用シートを作製しました。

他会場では、このほかA領域で「植物の体のつくりに関する教材」と、B領域で「溶解に関する教材」とを実施した地区もあります。前者では植物の葉や茎の断面などを検鏡したり、さらに身近な植物の花のつくりを観察しました。後者では、多量の物を速く溶かす方法や条件について調べたり、さらに溶解の観察に便利なたなを、透明塩化ビニル板を使って製作し、実際にいろいろな物を載せて、溶解して変化していくようすの観察をしました。

各会場に参加した先生がたからは、実験観察や器具の製作をとおし、すぐ授業に役立つ研修だったので、明日からの授業に自信がもてるようになったという感想が聞かれました。

 

三、おわりに

 

理科授業を楽しく興味あるものにするには、まず教師が実際に実験観察を行ってみて、そこでは握した事実をもとに、子供たちに学習させることがたいせつだと思います。

その手助けの意味で、この講座が有意義になることを希望しています。

 

植田小学校での移動講座風景

植田小学校での移動講座風景

 

星座観測板の製作風景

星座観測板の製作風景

 

 

 


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