教育福島0023号(1977年(S52)08月)-009page
項目的に示せば、次のようなことがらが考えられる。
○ 学級の年間・月間指導計画の作成と実施、評価、改善
○ 学級指導における進路に関する指導
○ 各種資料・情報の収集と整備・提供
○ 生徒に関する個人的並びに集団的な資料の収集・整理・活用
○ 進路相談の計画・実施
○ 保護者との連携及び啓蒙
学級担任は、担任する生徒のそれぞれの個性や家庭の事情、本人や保護者の進路希望などをはじめ、それぞれの生徒の進路における自主性の発達状況をたえずたしかめながら、その指導に努めていくことがたいせつである。
そして、学級指導における指導と進路相談を関連づけて実施することにより、生徒の職業的発達を促進し、各の進路設計に即して望ましい進路を生徒自らが選択し、将来の生活において自己をよりよく実現できるようにしていきたい。
なお、進路の決定に当たっては、本人はもちろん、保護者にとってもはじめての経験であることが多いことを念頭におき、じゅうぶんな配慮のもとで指導をすすめることが肝要である。
三、進路についての系統的な指導
各学校では、第一〜第三学年にかけて継続的・発展的な進路指導が行えるよう指導計画を作成し、実施しているが進路指導をより充実するため、系統的な指導により力を入れていきたい。
1、各学年における進路指導の発展系統を明らかにする。
ここでは、各学年における目標を明らかにし、その発展系統を全教職員がじゅうぶん理解して、それぞれの学年の指導に当たることがたいせつである。
例えば、
○ 第一学年では、一般に進路についての関心を深めることに重点が置かれようが、進んで自己の進路を計画しようとする態度を養うこともおさえておきたい。
○ 第二学年では、一般に進路を明確にしていくことに重点を置くことが考えられるが、上級学校や職業などに関する進路情報を理解させ、自己の計画を吟味して実現しようとする態度を養うこともおさえておきたい。
○ 第三学年では、進路を選択し、決定することが中心となろう。そのために必要な知識がふじゅうぶんであれば、当然指導しなければならない。
なお、第三学年の指導に当たっては、特に情緒の安定を図るよう、適切な配慮をするとともに、進学希望者と就職希望者との相互理解が図られるよう、実態に即して指導方法をくふうすることがたいせつである。
このようにみてくると、第二、三学年において意図する指導が行えるようにするためには、第一、二学年での指導内容をじゅうぶん考慮し、計画された内容を完全に実施しておくことが必要不可欠のこととなってこよう。
2、各学年での指導した内容を明らかにしておく。
特に第一、二学年における実施内容成果を記録にとどめ、学級編成替えや学級担任等が変わったとしても、前年に指導したことの上に立った系統的、発展的な指導が行われるようにしたい。
よりよい自己実現をめざして
--高校教育と進路指導--
高等学校教育課
一、進路指導主事研修会の内容
本年度の進路指導主事研修会は、五月十八日から二十日までの三日間、県教育センターを会場として開催されたが、その内容は次のとおりであった。
第一日
・開講式・指示連絡
・全体会議
(県高等学校進路指導連絡協議会総会並びに研究協議)
本年度の活動方針、会則の一部改訂進学・就職問題等の研究会議が行われたが、今年度初参加の先生がたの中にはこの会の組織なり活動内容について、理解がじゅうぶんでないこともあって、論議のかみ合わない面もあった。
第二日
・研究発表
1、工業高校における進路に関する調査、郡山北工高・菅野源吉教諭
2、最近の雇用状況と進路指導
喜多方商高・薄市志教諭
3、本校における進路指導
浪江高・若林博教諭
4、県内就職者と求人状況
学法福島工高・高村劼教諭
5、本校における進路指導の実態と問題点 平商高・大平徹教諭
県進協各ブロックの協力と推薦による研究発表は初の試みであったが、いずれも充実した内容の発表で、参会者に多くの感銘を与えた。むしろ一人当たりの持ち時間が足りないほどであった。(その一部を別記紹介)
・研究協議
第一分科会(三十七名)
生徒の進路意識を高める指導
分化・発達の遅れがちな生徒の進路意識を的確にとらえ、それを高めるための指導のあり方、また、それを進路相談に生かすこと等について考える。